逆転の阪神「嫌なイメージ払拭して」自力2位へM5

8回表阪神1死二、三塁、上本は左翼線に勝ち越し2点適時二塁打(撮影・宮崎幸一)

 阪神が、リーグ優勝した広島との今季最終戦を0-5からの大逆転勝ちで飾った。能見篤史投手(38)が初回5点を失ったが、6回に追いつくと、8回に上本博紀内野手(31)の2点二塁打で勝ち越した。リリーフ陣は継投に入った5回以降を無安打に抑えた。CSファイナルステージで対戦する可能性がある広島とは、敵地で今季2勝8敗1分けだっただけに、金本監督が目指す「下克上日本一」へ意義ある1勝となった。

 真っ赤に染まったマツダスタジアムを黙らせた。虎がレギュラーシーズン最後となる敵地広島で意地を見せた。5-5の同点で迎えた8回だ。1死から代打江越が四球で歩き、続く俊介が左前打で一、三塁。一塁走者俊介が初球から走って積極的に二盗を決めると、続く上本が3ボールから広島中田のスライダーを振り抜く。打球が左翼線に落ち、勝ち越しのタイムリー二塁打になった。

 「逆転のカープ」から逆転勝ちした。今季はこのマツダスタジアムでこの試合を含め3勝8敗1分け。特に終盤に逆転されるケースが目立ち、最後に赤い波にのみ込まれる。そんな嫌なイメージを植え付けられた。それがレギュラーシーズン最後の広島戦で5点差を逆転。金本監督は「去年、今年とは違うパターンになった。この球場では、だいたい点を取っても、終盤にバーンといかれるんだけど」と、ナインが見せた反発力を評価した。

 広島で勝つ意味があった。リーグ優勝の夢がついえた今、次なる目標は下克上による日本一。クライマックスシリーズを勝ち上がれば広島の地でカープが待ち受ける。それだけに指揮官も「やられているイメージが強い球場で、勝てて、しかも逆転勝ちというのはね。ウチの選手が気持ちの上で、嫌なイメージを少しでも払拭(ふっしょく)してほしい」と語った。

 2位確保まで、「マジック5」だ。あと5勝すれば自力で2位を確保できる。「この球場では、割と打てている。なぜかね。後は投手陣がしっかり投げてくれたら、勝機はあるかな」(金本監督)。日本一へ-。チャンスがある限り、その頂を目指す。【桝井聡】