広島緒方監督がマツダ凱旋で宣言「今度こそ日本一」

優勝報告セレモニーでペナントを手に場内一周する広島ナイン。先頭左は緒方監督(撮影・宮崎幸一)

 広島のリーグ優勝セレモニーが21日、マツダスタジアムで行われ、緒方孝市監督(48)が日本一を誓った。熊崎コミッショナーからペナントとトロフィーを授与され、場内1周で本拠地のファンにお披露目。緒方監督が「今度こそ日本一を勝ち取ります」と宣言した。この日の試合では、広島松山竜平外野手(32)とサビエル・バティスタ内野手(25)が1回に本塁打を放ち、阪神先発の能見を攻略。優勝決定後初の本拠地試合で大きな花火を打ち上げ、地元ファンを沸かせた。

 優勝の余韻に浸る地元ファンを1回に酔わせた。阪神先発能見の立ち上がりに、左右の大砲がアーチで競演した。まずは松山だ。

 1回1死一、二塁。「初球のクソボールに手を出して、いかんと思った。ゾーンを上げて、切り替えることができた」。打者有利の2-1のカウントから低めの真っすぐを思い切り拾い上げると、打球は高々と舞い上がり右翼席最前列へ。今月5本目の本塁打は先制3ラン。月間打率4割5分5厘、21打点と好調をキープする。

 1、2軍を多く入れ替えても、4番は入れ替えない。鈴木離脱後、9月は全試合で4番起用の松山が本拠地凱旋(がいせん)試合の1打席目に快音を響かせた。クライマックスシリーズ、日本シリーズでも主軸は譲らない。

 この日、メヒアとともに早出特打で打ち込んだ6番バティスタも、松山に続いてアーチを描いた。四球の新井を一塁に置いて、左中間席後方の防球ネットを直撃する特大2ランだ。

 前日にエルドレッドが選手登録を抹消され、代わりにメヒアが1軍に昇格した。相手投手のタイプ別の相性を含め、ポストシーズンでの外国人枠の見極めは最終戦まで続いていく。優勝を決めても気を緩める暇などない。新井や安部が2打席で交代となるなど、チーム内の戦いは続いていく。

 2回以降は無得点に終わり、本拠地凱旋試合を勝利で飾ることはできなかった。優勝報告セレモニーで緒方監督は「次の目標、日本一に向けて厳しい戦いが待っていることと思いますが、チーム一丸となって勝っていきたいと思います。今度こそ日本一を勝ち取りたいと思います」とファンに力強く宣言した。残り6試合も、ただの調整試合にはしない。【前原淳】