巨人、自力CS消えた…月間ワースト6度目完封負け

広島対巨人 4回裏、3失点したマイコラスを横目に遠くを見つめる巨人高橋監督(中央)(撮影・たえ見朱実)

 巨人が天敵広島に踏みつぶされ、3位奪取に失敗した。先発マイルズ・マイコラス投手(29)が5回5失点と今季最短KO。13勝の助っ人右腕も今季5度目の広島戦で5敗目を喫した。低調な打線も9月に入り、6度目の完封負け。3位DeNAと0・5ゲーム差に広がり、自力CS進出が消滅した。CS争いが佳境を迎える中で勢いが止まっている。

 勝てる空気感が、広島戦で、そして敵地マツダスタジアムでまったく漂わない。今季13勝、試合前まで防御率2・11、11戦連続7イニングを完了。だが、絶大なる安定感を売りとするマイコラスの堂々たる姿は、天敵の前では皆無だった。

 初回1死三塁からカーブが暴投となり、先制点を献上した。4回以降は追い込んでからの逆球が散見。3番丸からの3連打で2失点。5回も2死から再び丸を起点とする3連打で2失点し、今季最短の5回5失点でKOされた。「調子は良かったが、変化球の精度が乱れた。(広島には)失投すると今日のようなことが起きる」と受け止めた。

 ただ、すこぶる相性が悪い。今季ここ2戦は7回以上2失点でクリアしていたが、この夜の痛打で5戦5敗となった。来日3年で11試合に登板し、1勝8敗、防御率4・73と手のひらで転がされている。マツダで未勝利と聞かれ「ネクストクエスチョン(次の質問)」と受け付けなかった。CSファイナルで同じ環境で対戦の可能性もある。斎藤投手コーチは「何かあるのではとも思う。対策を練らないといけない」と指摘した。

 もっとも、このままでは12球団唯一となる11年連続CS進出自体が危うい。DeNAが試合なく羽を休めている間に、重圧を加えるどころか1勝2敗と自ら首を絞めている。高橋監督はマイコラスの苦手意識に「特には感じない。そもそもチームが勝てていない(7勝17敗)。彼だけの相性ではない」と切り離した。残り8試合。勝利への機運を醸し出さなければならない。【広重竜太郎】

 ▼巨人が0-5で敗れ、これで今月の完封負けが6試合目。巨人が無得点に終わった試合が月間6度もあったのは、12年4月に次いで2度目。この時は0-0の引き分けが1試合あったため、完封負けが月間6度は球団史上初めてだ。またシーズンの完封負けは14度目。球団ワースト記録は47、79、15年の各15度で、あと1つに迫った。