ヤクルト小川監督決定的、現在編成で現有戦力も把握

12年8月、巨人戦でのヤクルト小川監督

 ヤクルトの来季監督に前監督の小川淳司シニアディレクター(SD、60)の復帰が決定的となっていることが25日、分かった。シーズン終了後に発表される見込みで、球団は最終調整を進めている。この日、神宮球場で行われた巨人戦の前に取材に応じた小川SDは「言えないことはある。人事のことは特に言えない」と話すにとどめた。

 今季のヤクルトは7月に47年ぶりの14連敗を喫するなど不振が続き、8月22日に真中満監督が今季限りでの辞任を表明した。当初は高津2軍監督の内部昇格が有力だったが、経験豊富な小川SDの再登板が浮上。チームはこの日、巨人に敗れて92敗目を喫した。残り5試合で球団最多タイの94敗到達も見えてきており、根本的な戦力の底上げが必要と判断された。

 小川SDは過去に9年間2軍監督を務めるなど育成の実績は十分。また現在は編成に大きく関わっており、現有戦力も正確に把握している。また10年途中から1軍監督代行を務めて、11年からは正式に1軍監督に就任。11年から2年連続Aクラス入りを果たすなど、采配面での手腕も評価されている。14年限りで退任するまで、代行を含めて監督通算は314勝324敗36分けの成績だった。

 衣笠剛球団社長兼オーナー代行(68)はこれまで次期監督について「最終戦までに決めて、終わったら発表する」と明言。本社の代表取締役社長である根岸孝成オーナー(68)の正式承認を得てシーズン終了後に正式発表する見込みだ。

 ◆小川淳司(おがわ・じゅんじ)1957年(昭32)8月30日生まれ。千葉県出身。習志野3年時に春夏連続で甲子園に出場し、夏は優勝投手。中大で外野手に転向。河合楽器を経て、81年ドラフト4位でヤクルト入団。92年、角盈男とのトレードで日本ハムに移籍し、同年引退。通算940試合で1747打数412安打、66本塁打、195打点、打率2割3分6厘。93年にスカウトでヤクルト復帰。96年からコーチ、2軍監督などを歴任。10年途中から高田監督の代行を務め、11~14年に1軍監督。現在はシニアディレクター。現役時代は186センチ、89キロ、右投げ右打ち。