阪神CSへM1 史上初!藤川ら6投手50試合登板

ドリス(右)を出迎える金本監督(中央)(撮影・田崎高広)

 ついにM1や! 阪神がDeNAと引き分け、クライマックスシリーズ(CS)進出へのクリンチナンバーを1とした。リリーフ陣が踏ん張り、3回以降延長12回まで無失点。60試合以上登板投手5人と、50試合以上登板投手6人という2つの記録を同時達成しながら、引き分けに持ち込んだ。今日28日のDeNA戦に勝つか引き分ければ、CS進出が決まる。

 アカン…。虎党の誰もが目を覆ったはずだ。頼みの先発秋山が4回4失点で早々と降板。12勝でチームの勝ち頭がKOされ、敗色濃厚になっていた。それでもドローに持ち込めたのは、他ならぬ救援陣のおかげ。金本監督も「勝てなかったが、守りも粘りというか、ピンチもしのいだ。リリーフがよく投げてくれた」と目を細めて振り返った。

 開幕からフル回転する自慢の面々が、5回からマウンドに飛び出していった。岩崎を先頭に、ブルペンに入っていた7人中6人が注ぎ込まれ、全員が無失点の働きを見せた。

 6番手藤川が今季50試合登板に達したことで、日本球界初の記録が誕生した。自身6年ぶりに50試合登板を達成。チームでは6人目の到達で、1チームから50試合到達者が6人出るのは史上初のことだ。「まだ試合があるので。誰がどうとかではなくて、最後まで戦い抜くことが大事。まだ試合数の話は関係ない」。リリーフ陣の兄貴分は最後まで全力投球を誓い、記録には興味を示さなかった。

 11回から登板した7番手ドリスは60試合目の登板。こちらは岩崎、桑原、マテオ、高橋に次ぐチームで5人目の到達で、60試合登板が5人も史上初の快挙となった。

 救援陣は雰囲気もいい。遠征先でブルペン捕手らも交え、会食をすることもしばしば。グラウンド内外でも藤川はドリス、マテオの助っ人が独りぼっちにならないように積極的にコミュニケーションを取る。片山ブルペン捕手はマテオのためにスペイン語を覚えて会話に役立てようとしている。この思いやりが躍動につながっている。

 金本監督は「勝ちに等しいし、この2日間の連続完封負けからすると、よく追いついたと思う。本当にお疲れさん。12回をよくがんばってくれた」とナインをねぎらった。価値ある引き分けで半歩前進し、今日勝つか引き分けでCS進出が決まる。鉄壁のリリーフ陣が実りの秋にする。【山川智之】

 ▼ドリスが今季60試合目の登板。今季の阪神で60試合以上に登板した投手は、桑原65、岩崎64、高橋61、マテオ61に次いでドリスが5人目。同一チームの4投手が60試合以上に登板したケースは15年楽天、16年巨人があるが、5投手の60試合登板はプロ野球史上初めて。またこの試合では藤川が50試合目の登板。6人が50試合に登板するのも、プロ野球史上初となった。