阪神CS進出!福留4打点、甲子園開催へ「2位を」

選手交代を告げ、笑顔を見せる金本監督(撮影・田崎高広)

 金本阪神が大勝で初のクライマックスシリーズ(CS)出場を決めた。4番でキャプテンの福留孝介外野手(40)が、3回に口火の先制2点打を放つなど、今季初の4打点で打線をけん引。16安打11得点でDeNAを圧倒した。CS進出はチーム2年ぶり。今日29日も勝つか引き分けるかで、CSを甲子園で開催できる3年ぶり2位も確定する。

 虎の主将がCSの扉をこじ開けた。3回2死満塁。4番福留がDeNA井納のフォークを捉えた。打球は三遊間を破り、走者2人を生還させた。「みんながつないで、つないで点を取れたことが良かった」。この適時打が呼び水となり、今季最多タイのチーム16安打の猛攻撃が始まった。

 トドメを刺したのも40歳のバットだった。8点リードの6回。無死二、三塁から三嶋のスライダーを振り抜き左翼フェンスに当てる2点適時二塁打。全打席出塁の2打数2安打2四球4打点。ヒーローは代走を送られ、お役御免となった。

 「引き出し」の数が違う。今年7月。体の左側面を壁にくっつけてスイング動作を繰り返した。6月は右手中指のケガもあって打率1割5分2厘と絶不調。どん底から脱出するため、軸足である左足の意識を変えた。ゆっくりと体重を乗せて始動する。その練習方法の1つが壁にくっついてのスイング。百戦錬磨のプロ19年生は、計画通り勝負の夏場に調子を取り戻した。

 横浜に乗り込む直前に福留、鳥谷、糸井のベテラントリオに期待していた金本監督もえびす顔だ。「突破口を孝介がやってくれた。トリも3本打ったし、嘉男もいい追加点を挙げてくれた。3人が中心になって、グイグイとプレーでも背中でも引っ張ってくれるとチームも締まるし、勝ちに近づける。あの3人ですね、ウチは」。三銃士が機能して先発全員安打も記録。爽快にCS突破を決めた。

 今日29日にDeNAに勝利すればリーグ2位が確定。虎党の待ちわびる甲子園でのCSファーストステージ開催も決まる。福留は「まだまだここで緩めるんじゃなく、しっかりと2位を取って戦っていきたい。自分の状態がどうというよりもチームが勝っていければいい」と表情を引き締めた。下克上日本一へ。この男の存在が頼もしい。【桝井聡】