1軍お先に! 広島が7日、ファーム日本選手権で巨人に逆転勝利し、初の2軍日本一に輝いた。先発のドラフト2位ルーキー高橋昂也投手(19)が6回3安打2失点と好投し、優秀選手賞を受賞。バッテリーを組んだドラフト4位の坂倉将吾捕手(19)が決勝3ランを放ち、MVPを受賞した。高橋の後を継いだ若手投手陣も無失点で日本一のバトンをつなぎ、1軍より一足先に若コイが初の頂点まで昇り詰めた。
体重102キロの水本2軍監督が7度、広島の鍛錬の地・宮崎で舞った。勝利が決まった瞬間、若コイたちは控えめに喜びを表現し、マウンド周辺に集まった。ウエスタン・リーグ優勝が26年ぶりで、この日勝ち取った日本一は球団史上初。先発高橋昂を始め、初々しい若い力が球団の歴史を切り開いた。
19歳左腕は、日本一をかけた登板もクールに投げ続けた。本調子ではない中、3回まで1人の走者も許さなかった。4回1死一塁でカウント1-3から山本に初安打となる先制二塁打を浴び、6回は3ボールから岡本に左中間席に運ばれた。それでも崩れず、6回3安打2失点。勝ち投手となり、優秀選手賞を受賞した。佐々岡2軍投手コーチが「(シーズン中)優勝がかかった試合での投球内容、勝負強さを見て決めた」と期待した強さを発揮した。
シーズン序盤に負傷離脱したものの、筋力強化で土台が安定。持ち味である「間」のある投球で結果もついてきた。シーズン終盤に1軍登板の可能性もあったが、ほかの投手との兼ね合いでデビューは来季に持ち越しに。それでも「プロのレベルを肌で感じることができた。キャンプ、フェニックス・リーグで課題を克服していきたい」と自分の現在地が分かっている。
決勝弾は19歳の坂倉で、僅差の終盤は辻、戸田、藤井の継投でしのいだ。巨人がFA移籍の森福を左のワンポイントで投入する一方、広島は4投手を足しても今季1軍登板が5試合しかない、平均年齢21・75歳の若手に託した。巨人4投手の27・25歳を大きく下回る。水本2軍監督は「うちにはうちのやり方があるから」と胸を張った。
26年ぶり2度目の挑戦で初めて頂点に立った水本2軍監督は「この1試合は選手にとって、いい経験になると思う。1軍の戦力となる選手が1人でも多く出てきてほしい」と期待する。若コイが作る広島の新たな歴史は、この日のファーム日本一が終わりではない。新たな始まりだ。【前原淳】