上位指名確実!国学院大・山崎プロ手土産100安打

国学院大初の通算100安打を達成してボールと手で「100」を作る山崎(撮影・丹羽敏通)

 26日のドラフト会議を前に、プロ志望の国学院大・山崎剛二塁手(4年=日章学園)が通算100安打を達成した。1回、先頭で打席に立ち、東洋大・梅津晃大投手(3年=仙台育英)の137キロを中堅右にはじき返した。同リーグの100安打到達者は史上24人目で、国学院大からは初。試合は山崎の足が生きて国学院大が1-0で競り勝ち、3回戦に持ち込んだ。

 1回表、初球からフルスイングだった。ファウル。2球目、山崎のバットがとらえた打球はライナーとなって中堅右で弾んだ。前日の王手から空白なく、大台に乗せた。「初球から行くのがモットーですから。みんなにセンター前がいいといわれていた。自分らしい当たりが出ました」。100本目を振り返った。

 すでにプロへの志望届を提出した。その「手土産」となる大台突破。172センチと小柄ながら「打って、守れて、走れる」1番だ。6回には四球で出塁、その初球に二盗を決め、次打者の中前にポトリ落ちる安打で一気に生還した。50メートル5秒9。これが決勝点となってチームは優勝に望みをつないだ。広島苑田スカウト統括部長は、そんな山崎をこう表現した。「足もあるしチームに1人は欲しいタイプの選手ですよ」。

 東都リーグの100安打達成者を見ると、プロで活躍した選手がズラリ並ぶ。1位は元中日の藤波行雄(中大=133本)で、残り試合を見ても、これには届かない。ただ打率は藤波の3割1分9厘に対し、山崎は3割3分6厘もある。中日で今季大暴れした京田陽太内野手(日大)は、1部在籍が3年秋からの3季だったが、安打数は45で、2割8分5厘だった。

 入学時の目標が(1)首位打者獲得(2)100本安打(3)ベストナインの3つだった。それをすべてクリア。1年春、大学2打席目で亜大・山崎康晃投手(現DeNA)と対戦した。四球だった。「手が出なかった。まっすぐが見えなかった。これを打たないと、通用しないと思った」。ここから常にバットを振る選手になった。「当てるだけのヒットもあったんですが、それは(プロで)通用しない。強く振って、ヒットにする。それは今も、これからも続きます」。

 山崎は東海林孝一野球部長から贈られた花束を手に球場を出た。そこに照れはあったが、満足した表情はなかった。【米谷輝昭】

 ◆山崎剛(やまざき・つよし)1995年(平7)12月29日生まれ、福岡県出身。小学1年で田隈ジュニアに所属し、野球を始める。日章学園(宮崎)では1年秋から二塁手の定位置をつかみ、2年秋、3年春に県大会優勝。甲子園出場なし。国学院大では1年春から出場し、同年秋に拓大・佃投手から初安打した。2年春に打率4割で首位打者に輝く。ベストナイン2度。172センチ、72キロ。右投げ左打ち。