金本阪神「何が何でも」絶対勝つ ファイナル行くぞ

練習を見守る金本監督(撮影・田崎高広)

 いざ決戦へ。虎が今日17日、大一番を迎える。16日、DeNAとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦(甲子園)が雨天中止。17日に順延された一戦に向け、金本阪神は甲子園球場に隣接する室内練習場で調整した。勝つか引き分けでCSファイナルステージへの切符を手にする。生きるか死ぬか。猛虎に運命の1日が訪れる。

 ファイナル進出か終戦か。運命の一戦は、予備日の今日17日に持ち越された。金本阪神は室内練習場で調整。泥沼の黒星から一夜明け、つかの間の休養になった。「お互いだが、ああいう状態でやると、体の疲れはね。絶対にいらん力が入ってくる。1日空くので、明日いいコンディションでできるなら」。指揮官は中止決定を前向きに受け入れた。

 第3戦に広島行きをかける。勝利かドローが条件だ。前日は最悪のグラウンド状態の中で大敗を喫した。指揮官はこの日の練習風景を見つめ、選手は尾を引いていないことを確信した。「いつも言うように、何が何でも絶対に勝ち上がる気持ちを持ってほしいし、僕は持っていると思う。メンタルを整えてくれていると思う。それをそのままグラウンドに出してくれたら」。Bクラスに沈んだ昨年から、チームは精神的にも強くなった。2日連続の雨天中止でもファイナル進出は決まるが、そんなことを考えるはずもない。目の前の相手を倒すことだけだ。

 DeNAの先発は難敵ウィーランドが濃厚。今季は2戦2敗。9月25日には甲子園で9回5安打完封負けを喫した。短期決戦に強い「シリーズ男」が待望される中、ルーキーの名前が浮上した。大山だ。第2戦でCS初アーチを含む4安打の大暴れ。金本監督は「感じも良くなってきたし、速い球に強い。昨日は2本とも変化球だったかな。対応力がありますから」。昨年のドラフトで自ら1位指名に踏み切った大砲候補。大舞台で活躍する姿を自らと重ね合わせた。「(大舞台ということを)感じないんじゃないかな。目の前に必死で。大事な試合だから、と多少思うぐらいで、鈍感じゃないかな。おれもそういうタイプだった」。大山はウィーランドにシーズンで4打数0安打だが、非凡なドラフト1位ルーキーの「対応力」と「鈍感力」が攻略の大きな武器となる。

 投手陣を見渡せば前日は雨の中で桑原やマテオが失点したが、首脳陣の信頼が揺らぐことはない。ベテラン野手の決意も心強い。糸井は右腕に死球を受け、別メニュー調整だったが、この日、試合が決行された場合は「行きます!」と指揮官に出場を即答したという。腫れは残るが、覚悟は固めていた。力を結集し、次なるステージへ。球史に残る「泥試合」の後でも、虎戦士の闘志は冷めていない。【田口真一郎】

 ◆CSファーストステージの主なルール 3試合制で、シーズン2位の球団がホーム。延長戦は12回まで。12回表終了時や12回裏の攻撃中に後攻チームの勝ち上がりが確定した場合、その時点でコールドゲームとなる。引き分けを除いた勝ち数が同じ場合は2位の球団が勝者。悪天候などで17日までに試合を消化できなかった場合、その時点で勝ち数の多い球団が勝者。予告先発はパだけ実施。