JR東日本・田嶋大樹投手(21=佐野日大)が、満を持して、運命のドラフト会議を迎える。3年前、佐野日大のエースでセンバツ4強。「右の安楽、左の田嶋」と注目された。プロ志望届を提出すれば1位指名も予想された中、JR東日本への入社を決断。最速は7キロアップの152キロに進化し、チーム、侍ジャパン社会人代表のエースに上りつめた。全12球団から調査書が届き、オリックス、西武が1位指名を明言。ドラフトの目玉の1人として、指名を待つ。
3年前、胸に抱いた不安はなかった。今日26日のドラフト会議を前に、田嶋は「いつも通り、何も変わらず。今は待つだけです」と笑顔で話した。3年前も1位候補と注目されたが「プロの世界が、想像できなかった」とJR東日本入りを決断。チーム、社会人日本代表のエースに進化した左腕は「今なら、イメージできます」と話した。
社会人3年目。ドラフト解禁イヤーを迎え、誓いを立てた。「今年、プロに行けなかったら、野球をやめるくらいの覚悟でやる」。春のキャンプでは1日200球以上を投げ込み、課題だった制球力を強化した。プロを意識する中、最も大事にしたのはチームの結果。「エースとして、チームを勝たせること」と決意した。
勝利を求める中で、新たなスタイルを開拓した。5月末の都市対抗2次予選で5試合中4試合に先発。4試合目だったセガサミー戦では「体がパンパン」に張る中、ボールを動かしながら、打たせて取る投球で1失点完投した。最速152キロの直球を軸に力でねじ伏せるスタイルから「打者の心理を読んだり、変化球でカウントを稼ぐ」投球を覚え、完投が増えた。
投球に自信も芽生えた。制球力が向上し、全ての球種でストライクが取れる今は「ここでこの球は投げられないと思うことがなくなって、不安が消えた」。今夏の都市対抗では3試合に先発し、1回戦から2試合連続で完封。東芝に敗れた3回戦も9回途中3失点と好投した。「偶然ではなく、狙った形」でアウトを重ね、安定感も増した。
プロでの目標は「1年でも長く活躍する」だが、目標とする選手は挙げなかった。「この人と言うと、それ以上はなくなるのかなと。限界は決めずに」。10月のアジア選手権では決勝戦に先発し、金メダルに貢献。名実ともにドラ1の評価を受け、運命の日を迎える。【久保賢吾】