慶大・岩見は楽天2位!大砲アマダーに弟子入り志願

慶大・岩見(右)は楽天から2巡目指名を受け、大久保監督と笑顔で見つめ合う(撮影・松本俊)

 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が26日、都内のホテルで開催された。

 東京6大学リーグで年間新記録の12本塁打を放った慶大・岩見雅紀外野手(4年=比叡山)は、楽天の2位指名を受けた。今秋、リーグ史上初となる5試合連続本塁打で脚光を浴びた強打者。通算でも先輩である高橋由伸(現巨人監督)の23本塁打まであと2本の21本塁打で、明日28日からの早慶戦で記録更新の期待がかかる。喜びを胸にしまい勝負への闘志を燃やした。

 東京6大学のホームラン列伝に名を刻んだ岩見が、杜(もり)の都に乗り込む。学生野球の規格を超えた飛距離で、リーグ新記録の5戦連発&年間12本塁打。「親に感謝。1浪して良かったです」と苦労してたどり着いた神宮の最終学年でブレークした。「比叡山のクマ」「慶大のバレ」「慶大のエルド」…飛ばし屋の異名も付いて上位候補に食い込み、個性に重きを置く楽天の目に留まった。

 見届け、静かにうなずいて「震災の後、すごいエネルギーで優勝した。勢いを持っている印象。長所はパワーと飛距離。アマダーさんに、どうしたらそんなに飛ぶか聞きたい」と語った。ただ岩見は、豪快なスイングと裏腹な、繊細な心の持ち主だった。

 岩見 ホームラン記録に固執してはいけない。何もない状態からのスタート。課題は山積み。守備と走塁。みなさんが思われていること、すべてが弱点。足りないと認識している。やらなくてはいけない。今、やるべき事と最終目標は違う。何が必要か。考える。

 俯瞰(ふかん)して、自分を客観視する資質がある。清宮に7球団が集中したドラフト中継を「競合するんだな、すごいな」と見ていた。目標は「生き残ることが大前提。数字は言えるようになってから。野球少年に目標としてもらえる選手になりたい」と言った。

 今、やるべき事は分かっている。優勝のかかった早慶戦を28日に控える。「慶応義塾大学4年、岩見雅紀として週末を迎えなくてはいけない。明日も朝から練習。バットを振らないと。早く寝て備えます」。いつの間にか会見場から消えた。【宮下敬至】