日本ハム1位清宮 あるぞ中田以来の1軍キャンプ

早実・清宮の指名あいさつに訪れた日本ハム栗山監督は交渉権獲得の当たりくじを披露する(撮影・小沢裕)

 日本ハム栗山英樹監督(56)がドラフト会議の翌日27日、7球団競合の末に1位指名で交渉権を獲得した早実・清宮幸太郎内野手(3年)の指名あいさつのため、東京・国分寺市の同校を訪問した。約40分間の会談を終え「ベーブ・ルースってあんな感じだったのかな」と、天真らんまんな印象を明かした。また、早実の先輩でもある斎藤佑樹投手(29)も、千葉・鎌ケ谷の球団施設で、チームメートになることを大歓迎した。栗山監督は、来年2月の米アリゾナでの1軍キャンプには帯同する可能性も示唆した。

 目尻を下げ、口元を緩ませて幸福感をあらわにした。大興奮のドラフト会議から一夜明け、栗山監督は再度、胸を高鳴らせた。7球団競合の末、ドラフト1位で交渉権を獲得した清宮へ直々に指名あいさつ。「人を引き付ける魅力がある。ベーブ・ルースってあんな感じだったのかな」とウットリ。大リーグで投打で活躍したレジェンドに例え、漂う規格外のオーラを実感。「最初に会ってこういう雰囲気で珍しいんじゃないかな」と浸った。

 対面した約40分間、魅力ばかりを発見した。当たりくじには「共に天下を!」と直筆メッセージとサインを入れてプレゼント。清宮は「これ、本物ですか?」と目を丸くさせ、見入っていたという。清宮からは、新球場建設構想に関して、好奇心いっぱいに質問された。栗山監督は「受け答えや話している感じとか見ていると、ああ、この子、本当に愛されているのが分かるなあって。一番良いことだよね」とうなずいた。

 もう1人、チームメートになろうとしている清宮を歓迎するのが斎藤佑樹だ。栗山監督があいさつに赴いた約3時間前。鎌ケ谷の球場で語った。「早実の後輩」という明確な縁がある。「そういうものは感じますし、より一層、僕も頑張らないといけない」。清宮は06年夏の高校野球の決勝、斎藤が投げた延長再試合の駒大苫小牧戦をアルプス席で観戦し、早実進学を決めた経緯がある。「僕が投げて、後ろで守ってくれて打ってくれたら心強い。たくさんのファンを楽しませ、一緒に頑張りたいです」。

 前夜のドラフト後に和泉監督と電話で会話した。清宮の指導役を依頼されたはずが「お前も頑張れよ」と励まされた。プロ8年目の来季は清宮の存在を、復活に向けた活力の1つにする。

 魅力あふれる超大型新人に、キャンプ1軍スタートの可能性が出てきた。来年2月に米アリゾナで行われる春季キャンプのメンバーに、栗山監督は「可能性はゼロじゃないし18歳とか関係ない。いろんなものを見たほうがいい。体の状態を見て、ちゃんと考える」と示唆。07年ドラフト1位の中田以後、高卒新人は体づくりを優先させるため2軍スタートが基本になっており、異例の抜てきになる。球団は今後、父克幸さんら清宮家を訪問予定。「日本ハム清宮」の誕生へ、冷めない興奮が続きそうだ。【田中彩友美】