巨人7位村上、巨人の超人になる 目標は阪神糸井

「トリプル3」と目標を掲げた色紙を持ち、ガッツポーズを見せる巨人ドラフト7位の村上(撮影・桑原幹久)

 超人伝説の始まりだ! 巨人からドラフト7位で指名された奈良学園大・村上海斗外野手(4年=北照)が10月31日、奈良・生駒郡内の同大学で岡崎スカウト部長、益田スカウトから指名あいさつを受けた。189センチ、95キロの体格に、打撃用手袋と足のサイズはともに30センチと規格外。打撃練習で「崖転落弾」を放つパワーに加え遠投110メートル、50メートル5秒8と走攻守3拍子そろっている。大学2年の時に投手から野手に転向した大型外野手は、目標の選手に阪神糸井を挙げた。

 大きな体に似合わず、無邪気な笑顔で目を輝かせた。指名あいさつで贈られた高橋監督直筆サイン入りのドラフト会議IDカードを手に「やっと実感がわきました。早く1軍で活躍したいです」。色紙には目標を「トリプル3」と迷いなく書きあげ、未来の自分に思いをはせた。

 189センチ、95キロの恵まれた体格を持ち、打撃用手袋のサイズは30センチと規格外の大きさを誇る。「市販では27センチまでしかないので、特注で作ってもらいました」。196センチ、107キロの巨人ギャレットでも29センチで、20年以上用具を担当するメーカー関係者は「プロでも聞いたことない」と驚く。体育の授業のバスケットボールではダンクシュートを決め、場外が崖になっている両翼90メートルの同大学グラウンドでの打撃練習では「崖転落弾」を連発。マネジャーも「部のボールが減って困ってます」と苦笑いだ。

 大学2年の時、投手から野手に転向。目標の選手には同じく投手から野手に転向した阪神糸井を挙げた。遠投110メートル、50メートル5秒8と俊足強肩も兼ね備え「走攻守すべてに自信があります」と胸を張る。「宇宙人」と評される糸井と同じく? 自他ともに認める天然キャラで「指名していただいた後の会見で真剣にしゃべっているのに、チームメートが奥で笑ってました。後で聞いたら『訳分からんこと言ってたぞ』って言われました」と頭をかいた。

 指名された支配下選手で唯一の外野手で、岡崎スカウト部長は「一番の魅力は足。守備も計算できるし、肩も強い。足と守備を意識した今年のドラフトで最も象徴的な能力を持つ選手。打撃をもう少し伸ばせば十分レギュラーを狙える」と素質を高く評価した。

 夢は広がるばかり。村上は「40歳まで現役を続けられるような、ファンに愛されて引退できる選手になりたい」と意気込む。大きな志を秘め、プロの世界に飛び込む。【桑原幹久】

 ◆村上海斗(むらかみ・かいと)1995年(平7)7月7日、京都府井手町生まれ。井手小4年から井手ジャガーズで野球を始める。井手泉ケ丘中では京都南山城ボーイズ所属。北照ではオリックス吉田雄らと春夏通じ3度甲子園出場。奈良学園大では投手で入学、野手転向した2年春からレギュラー。4年春リーグ戦ベストナイン。家族は両親と姉、兄。189センチ、95キロ。右投げ右打ち。