巨人1位鍬原画伯!ジャビット描き特技披露も赤点?

中大・鍬原は指名あいさつ後、得意の模写でボールに書き込んだチームマスコットのジャビットを披露する(撮影・松本俊)

 鍬原画伯の誕生だ。巨人からドラフト1位で指名された中大・鍬原拓也投手(21)が8日、東京・新宿区内の同大キャンパスで岡崎スカウト部長、福王東日本統括スカウト、柏田スカウトから指名あいさつを受けた。最速152キロ右腕はあいさつ後の会見で報道陣の要望に応え、特技の絵を披露。ボールに球団マスコットのジャビットを描き上げ、持ち前の度胸を見せつけた。先発にこだわりを持ち、目標には「沢村賞」を挙げた。

 

 笑顔でペンをすらすらと走らせた。指名あいさつ後の会見で報道陣の要望に応え、特技の絵を披露。ボールにジャビットの似顔絵を即興で描き始めた。人形を見ながらボールへ向かうこと約1分間。目、口、帽子…、最後に耳を付け足した。完成度を聞かれると「最低です」と苦笑い。それでも、約50人の報道陣、8台のテレビカメラを前に投手向きの度胸を見せつけ、「鍬原画伯」が誕生した。

 ペンで発揮した強心臓ぶりは、マウンドへも通ずる。持ち味は「強気の投球、特に自信のあるまっすぐを見てほしい」とアピール。身長176センチと大柄ではないが、最速152キロの直球を内角へ投げ込み、「クワボール」と称されるシンカー、スライダー、チェンジアップで打者を手玉にとる。大学3年春の東都1、2部入れ替え戦では、負ければ降格決定の試合で先発し完封と、土壇場にも強い。岡崎スカウト部長も「自信に満ちあふれた表情をしていて、頼もしく感じた」と目を細めた。

 憧れのエースを思い浮かべ、青写真を描いた。大学入学時は救援登板が多かったが、3年秋から先発へ転向し「プロでも先発をやりたい」と宣言。目標の投手像には今季17勝、初の沢村賞を受賞した巨人菅野を挙げた。「先発の魅力は長い回を投げられて、奪三振王といったさまざまなタイトルを狙えるところ。沢村賞は条件が厳しくて大変だけど、いずれはそこを目指したいです」。輝かしい実績を持つ先輩右腕に、未来の自分を重ねた。

 小6の時に授業で提出した「ブルドッグの絵」がほめられてから、絵を描くことが好きになった。「まずは1軍定着。将来的に球界を代表する投手になりたい」。マウンドでもお立ち台でも活躍する日を夢に描き、球界の絵になる投手になってみせる。【桑原幹久】