西武6位綱島、パワーを付けてライオンズの顔になる

西武辻監督から贈られた色紙を手に笑顔の6位指名の綱島(中央)。左は鈴木育成アマチュア担当、右は糸魚川白嶺・丸山監督

 西武からドラフト6位指名された糸魚川白嶺・綱島龍生内野手(17)の風貌が引き締まった。7日には鈴木葉留彦球団本部長(66)と鈴木敬洋育成アマチュア担当(34)が指名あいさつ。「ライオンズの顔になってくれる選手」という評価を受けた。強肩、俊足の遊撃手は「強打」も備えるために、パワーアップに励んでいる。

 綱島本人も驚くほどの高評価を、7日の指名あいさつで受けた。大きな期待に表情は引き締まった。鈴木育成アマチュア担当は「ライオンズに必要な選手。チームの色に合っている。一発で欲しいと思った」と話した。公式戦、練習試合、練習を含めて「15回くらい」足を運ぶほどほれ込んだ逸材。育成を含めて、西武がドラフトで指名した内野手は綱島1人だけ。「1軍で活躍できる選手になりたい」と覚悟を見せた。

 強肩、俊足を誇る綱島の最大の持ち味は、飛び抜けた脚力だ。鈴木育成アマチュア担当は「バネがある。ウサギのようなイメージ」と話した。試合ではノーサインで走らせていた丸山卓真監督(42)は「判断が速い。イノシシのようにいく」と、ともに走りを野生動物にたとえた。糸魚川小時代は、陸上クラブのヒスイ・クラブに所属。5、6年時に同市内大会の100メートルで優勝した経験を持つ。「野球に役立てるため陸上をしていた」と現在、50メートルは6秒ジャストで走る。

 右利きながら、綱島は物心つく前から左打ちだった。父洋司さん(41)が2歳児からプラスチックのバットと軟らかいボールで左打ちの「英才教育」を施した。「2歳の頃から走り回っていたから、左の方が一塁に近いと、左打ちの練習をさせた。10日でマスターした」と明かした。綱島が「小さい頃からプロ野球選手になるのが夢だった」と言うのは、その遊びが契機だったのかもしれない。

 3回戦で敗れた夏以降も1、2年生のチームに交じって練習してきた。ドラフト指名前から、糸魚川市内のトレーニングジムで筋トレを追加。ランニングを含めて週5回は1時間半、通常練習を延長して励んできた。「力強いボールに負けないパワーをつけるように頑張っている」。走攻守の3拍子そろったプレーヤーへ、綱島はプロに向けて突っ走っている。【涌井幹雄】

 ◆綱島龍生(つなしま・りゅうせい)2000年(平12)1月21日、糸魚川市生まれ。野球は糸魚川小1年夏から始め、糸魚川中では捕手。高校でも1年春から捕手で、遊撃手に転向したのは1年秋から。遠投110メートル。右投げ左打ち。178センチ、72キロ。血液型A。家族は両親と姉、弟。