日体大・石川、集大成の秋にする きょう神宮大会開幕

スリークオーター気味にフォームを変更してブルペンに定着した日体大・石川

 学生最後の晴れ舞台で有終の美を飾る。日体大・石川勇二投手(4年=糸魚川)が今日9日に開幕する明治神宮野球大会(東京・神宮球場)で、37年ぶりの優勝に挑む(試合は10日から)。高校時代は新潟を代表する本格派左腕として鳴らし、大学でも3年春からベンチ入り。中継ぎとして2度の首都リーグVを経験した。卒業後はクラブチームのYBC柏(千葉)でプレー。日本一で集大成の秋にする。

 

 日本一への「予行演習」で、Vリレーのマウンドに立った。2日に行われた関東地区大学野球選手権決勝で、石川は2点リードの7回から日体大の3番手で登板し、創価大を1回無失点に抑えて「ホールド」の力投。同選手権で初優勝を飾り、13年ぶりの明治神宮大会出場に花を添えた。「この時期まで野球を続けられて、神宮にまで出られるなんて、大学でやってきて良かったです」と仲間と喜びを分かち合った。

 今秋はリーグ戦2試合に登板し、同選手権でも2試合に登板した。日体大は3年生に松本航、東妻勇輔の両ドラフト候補右腕を擁し、神宮大会でも優勝候補の一角に挙がる。層の厚さで石川の登板機会は限られるが、貴重な救援左腕としてブルペンに欠かせない。

 日体大では1年春に開幕からベンチ入りも、すぐに左肘痛を発症。治ったと思ったら左肩も痛め、リーグ戦デビューは3年春と遅れた。「なかなか結果を残せなかったので、コーチから進言がありました」と左上手から最速143キロの直球を捨て、サイド気味の変則フォームに変えてベンチに定着した。昨年4月24日の帝京大戦では、最初で最後のリーグ戦白星をマーク。延長10回から3イニングを無失点。しかも同12回からのタイブレークも抑え、サヨナラ勝ちした。「1アウト満塁でしびれる場面。抑えて1勝を挙げたことが、いい思い出です」。

 卒業後は一般企業に就職し、都内で勤務しながら、クラブチームで野球を続ける。YBC柏は元中日の谷沢健一氏が創設者で、3年前にはクラブ日本選手権で4強に進出した。打倒「企業チーム」を掲げて都市対抗、社会人日本選手権への出場を目標に掲げている。高校時代はソフトバンク4位指名の国士舘大・椎野新(4年=村上桜ケ丘)、BC新潟入りする神奈川大・山田健登(4年=新発田)とともに、新潟を代表する好投手トリオで注目された。石川は「いろいろ刺激は受けます。自分も頑張ろうと思います」。戦うステージこそ変わっても、高みを目指す挑戦は変わらない。【中島正好】

 ◆石川勇二(いしかわ・ゆうじ)1995年(平7)9月6日、糸魚川市生まれ。糸魚川小3年の時に野球を始め、小学5年から投手。糸魚川中では2年時に北信越大会出場。糸魚川では1年秋から主戦として登板し、2年夏に県4強。3年夏は4回戦で敗退。日体大では3年春にリーグ戦で初登板し、首都リーグ通算で11試合(1先発)に登板した。180センチ、71キロ。左投げ左打ち。