大谷翔平きょう正式表明「タイミング適切」吉村GM

スーツ姿で寮を出る日本ハム大谷(撮影・横山健太)

 日本ハム大谷翔平投手(23)のメジャー挑戦が正式に決定した。10日、都内のホテルで球団に希望を伝え、ポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を承認された。会談後、竹田憲宗球団社長(61)栗山英樹監督(56)が会見を開き、送り出す側の思いを語った。今日11日には、大谷本人が会見で自らの意思を口にする。日米間で協議中のポスティングシステムは現在、大筋で合意。正式合意し次第、申請手続きに入る。

 グレーのスーツに身を包んだ大谷は、午後1時すぎに千葉・鎌ケ谷の勇翔寮を出発した。都内のホテルで球団幹部、栗山監督と対面し、メジャー移籍の希望を伝え、了承された。竹田社長は「大谷選手の目は輝いていた。世界に向けて羽ばたくぞという意気込みを感じられました」。ポスティングシステムのルールが日米間で合意し次第、申請手続きに入る。5年前に抱いた夢へ、大きく前進する。

 12年ドラフト、直接メジャー行きを希望していた大谷を、日本ハムは強行指名した。誰もなし得なかった投打二刀流。当初は批判の嵐にさらされたが、誰もが認める超一流に成長した。栗山監督は「一番大変だったのは本人。二刀流はチームを優勝させるためにやると言ってきた。去年ああいう形で貢献したのはすばらしかったと思う」。昨季はリーグ優勝決定の胴上げ投手となり、投打で日本一の原動力になった。1番投手での初球本塁打や、DHからマウンドに上がっての165キロ計測。球界の常識を、恐ろしいほどの才能で打ち破ってきた。

 まだ23歳。日本のファンを魅了したプレーで、米球界にも衝撃を与える。日本ハムにとっては投打の主軸が抜けることになるが、吉村GMは「才能が伸びてる時期。これから、という時期に行くべき。ファイターズが勝つ負けるではなく、世界的な視野で見るとタイミングは適切」と、野球界のために、喜んで送り出す。

 二人三脚で歩んだ栗山監督も「僕らが考えた以上に、野球にはいろんな考えがある。想像を超えた翔平の姿が、見られるかもしれない」と期待している。

 今日11日には、大谷自らが会見を行い、素直な思いをファンに伝える。親子のように接し、会談の席では涙ぐんでいたという指揮官は「いい環境で野球をやってほしい。まっすぐ駆け上がって欲しいなと思う」。二刀流伝説の第2章が、幕を開ける。【本間翼】