韓国・元中日宣監督と初対決、台湾は王の内角攻めろ

会見後、手を合わせる、左から日本代表・稲葉監督、台湾代表・洪監督、韓国代表・宣監督(撮影・加藤哉)

 20年東京五輪のライバルになる可能性がある韓国、台湾の現状とは。「初陣!! 稲葉JAPAN」の最終回はライバル国編。侍ジャパンが今日16日の開幕戦で対戦する韓国は、元中日クローザーの宣銅烈監督(54)が指揮を執る。台湾は同リーグ2年連続4割をマークし、今季3冠王を獲得した「台湾の大王」王柏融外野手(24)が中軸を担い、日本に挑んでくる。

 

 ◆韓国代表 かつて中日の守護神として97年にセーブ王、99年にリーグ優勝に輝いた姿が記憶に残るファンも多いだろう。NPB通算98セーブを挙げた宣監督が、代表専任監督として指揮を執る。20年東京五輪を見据えて、オーバーエージは採用せずにメンバー編成した。

 「投手力を見ると日本の方がはるかに上。日本は自動的に東京五輪の出場枠があるが、韓国は勝たないと五輪に出られない。今回出場する選手=プロ野球の未来」と期待する。日本戦の先発は、機動力を警戒してクイックが速い張現植を起用する。将来に向けて課題に挙げるのは投手陣。「韓国は高校野球のチームが70チームにも満たない(日本は約4000校)。なのにプロ野球チームは10チーム。選手の供給がうまくいってない。野球インフラを改善しないといい選手が出てこない」と危機感を持つ。

 東京五輪まで続く、宣監督VS稲葉監督。「現役時代、僕は全然打ったことがない」と話す稲葉監督に対して、宣監督は「私は速い球を投げるタイプだったが当時新人の稲葉さんは速い球に非常に強く、よく打たれた記憶」と言った。結果は10度対戦して、9打数2安打1本塁打。どちらも本心だったのか。互いに初采配同士のベンチ対決になる。

 ◆台湾代表 開幕前日の公式練習で、「大王」の異名を持つ王は、フリー打撃で2連発を含む3発を東京ドームの右翼席にたたき込んだ。2年連続の打率4割超えで、今季は3冠王を獲得。2月のWBC壮行試合では楽天則本からバックスクリーンに本塁打を放った。

 「日本のレベルの高い投手と戦うことができてワクワクしています」

 対戦したい選手には、巨人田口を挙げた。「いいピッチャーなので、田口選手からホームランを打ちたい」。打者では日本ハム近藤に関心を抱き「日本の野球は世界の中でもNO・1の細かい野球をやる。基本を重要視しているし、勉強したい」と言った。稲葉監督は「インコースを攻めないと、逃げてばかりでは踏み込んでくる。思い切って投げ込んでほしい」と、日本の投手陣に内角攻めを指示している。【前田祐輔】