中日荒木が茶摘み体験、緑茶パワーで本厄乗り越える

摘採機に茶葉が乗り刈り取られる様子を見て驚く荒木(撮影・宮崎えり子)

 荒木がお茶農家に転身!? 中日荒木雅博内野手(40)が三重・亀山市の茶園で念願の収穫作業に挑んだ。今季、2000安打を達成。来季23年目を迎える大ベテランだが、勉強したいことはまだまだ山積みだという。中日担当・宮崎えり子も付き添い、好奇心旺盛な姿勢に活躍の秘訣(ひけつ)をかいま見た。

 

 プロ野球選手には見えなかった。お茶の葉を刈り取る乗用摘採(てきさい)機を巧みに操縦する荒木は、お茶農家そのもの、といったら大げさか。1度、操作方法の説明を受けたらスイスイと刈り取っていく。作業を終えると、緑茶を一気に飲み干し「はあ、おいしい~!」と一息ついた。

 確かに、似合ってる。でもなぜお茶農園? 「地元の熊本もお茶どころ。周りにお茶畑はあっても、どんな風に作っているのか知らなかった。名古屋の近くに茶畑があるなら勉強したい。自分の引き出しにもなる」と目を輝かせ、理由を明かした。

 荒木の母良子さんの実家は米などをつくる農家だという。幼いときから手伝ってきた。農作業にも慣れっこ。俊足もそうやって鍛えられたのか…。オフに入り、ナゴヤ球場で体のメンテナンスやトレーニングに励んできたが、球場を飛び出してやってきた。

 40歳になった今でもプロの世界で結果を残してきた選手。さすがの探求心だと感じた。工場では1つ1つの機械の説明にも真剣に聞き入り、製造過程も学んだ。日差しが暖かかったが、日が沈みかけ肌寒くなる中、「いい勉強ができた。お茶の木に花が咲くなんて初めて知った。これでお茶農家にもなれる」と冗談でしょ、と流せないような真剣な表情を見せた。

 もちろん緑茶が体にいいことも知っており、普段からよく飲む。荒木のモットーは旬のものを食べて、体を動かすこと。若手時代から変わらないことでもある。「まだまだ体は動くし、走れる。もう1度、体を作り直したいとも思っている」。今季は史上48人目の2000安打を達成。23年目の来季は兼任コーチとして若手に名手の技を伝授しながら、自身は通算400盗塁まで22に迫る。本厄を迎えるベテランの体を守るのに、緑茶パワーが一役買ってくれるかもしれない。【宮崎えり子】

<中日荒木の異色?のオフの過ごし方アラカルト>

 ▼ピロリ菌退治 10年オフに受けた人間ドックで慢性胃炎などにつながる「ピロリ菌」が検出。薬の服用で除去に成功。シーズン中には体重減に悩まされていたが、内臓トレにより人生初の体重80キロ超えも。

 ▼慰問チーム最多 チーム恒例の名古屋第二赤十字病院への慰問が、16年オフで12度目の参加。立浪氏、現巨人の井端コーチを抜いて最多になった。これまで“慰問隊長”を務めていたが、大島にリーダー役を引き継いだ。

 ▼護摩業 仙台市の福聚山慈眼寺(ふくじゅさんじげんじ)で参加。昨オフも大記録2000安打に向け祈願。

 ◆緑茶の効能メモ カテキンやビタミンが多く含まれている。カテキンにはガン予防、生活習慣病予防、殺菌効果で虫歯・口臭予防があるといわれている。美肌効果のあるビタミンC、老化防止のビタミンEが摂取できる。さらに、リラックス効果のテアニンという成分もある。