中日小笠原がエース奪う「チームトップの成績残す」

300万円増の2100万円で契約更改し笑顔で記者の囲み取材を受ける小笠原(撮影・前岡正明)

 竜のエースに、オレはなる。中日小笠原慎之介投手(20)が23日、300万円増の年俸2100万円(金額は推定)で契約を更改した。プロ2年目は左肘の手術明け。何度も壁にぶち当たり、5勝8敗で終えたが、終盤は好投続きで脱皮を予感させた。

 代名詞のスマイル封印が決意の証しだった。「成績に納得はしていないです。規定投球回に届かず、悔しかった。期待を裏切った。チームの中心にいる存在にならないといけない。できれば、来年はチームトップの成績を残したい」。開幕投手も「チャンスがあればやりたい」と言った。

 柳、笠原、鈴木ら期待の若手がひしめく投手陣でも1歩先を行く存在。彼らと“共闘”する意識について「僕はないです。とにかく、自分がやらないといけない」と脇目もふらずに突っ走る覚悟を示した。

 求めるのは直球の威力アップの1点。左太ももの故障で秋季キャンプはほぼ棒に振った。ブルペン投球は再開しており、2月1日キャンプインまでの2カ月が重要になる。

 「持ち味を全面的に出さないと勝てないと分かった。しっかり腕を振って、直球の質を伸ばしたい。もう1ランク、2ランク上の直球を完成させたい」

 オフはブルペンの回数は抑えるが、遠投や短い距離での強い投球を真冬でも継続。強い球を投げるための理想のフォームを追求する。

 自らの投球ビデオ、他人の動画で研究を重ね。波が激しかったシーズンの振り返りにも余念がない。左腕の目の色が変わっている。【柏原誠】