野上は巨人!「3年4・5億」熱意応えた 背番23

巨人への移籍を決断した野上

 西武から国内フリーエージェント(FA)権の行使を表明していた野上亮磨投手(30)が、巨人への移籍を決断したことが27日、分かった。他球団との交渉解禁日の16日に巨人から即アタックがあり、DeNAからもオファーを受けていた。宣言残留を認めている西武を含めて熟慮の末、決心した。近く「巨人野上」が誕生する。

 FA宣言した14日から約2週間。考え抜いて、野上が巨人へ移籍する意思を固めた。関係者の話を総合すると、巨人は他球団との交渉解禁日となった16日に即アタック。その後も複数回の交渉を重ね、ラブコールを送り続けた。野上が最も重視した「本当に必要としてくれているか」という点に応える熱意が、新天地で挑戦したいという思いを後押しし、決め手になったとみられる。

 巨人は鹿取GMが「1年間ローテを守れるし、内容も伴っている。いろんなデータを見て、数字に表れないところも評価している」と話すなど、投手としての総合力を高く評価していた。水面下の交渉では獲得への熱意とともに、3年4・5億円規模の大型契約を提示した模様だ。

 関係者によると、野上は当初、巨人からのオファーに驚きを隠せなかったという。3年連続でリーグ優勝を逃した巨人へのFA移籍は、大きな重圧を背負うことになる。そんな中で、挑戦への背中を押してくれたのは、来春に誕生予定の第1子の存在だった。23日のファン感謝イベントでも「来年子どもが生まれるので、より一層頑張りたい」とファンの前で決意を明かしていた。自身の岐路に重なるように授かった新たな命を前に「子どもにチャレンジする姿を見せたい」と覚悟を固めたという。

 シーズン終了後から約1カ月間、FA権を行使するかを悩み、宣言後も熟考を重ねた。9年間在籍した西武への愛情を強く持つ。DeNAからも熱心なオファーを受けた。考えに考え、この間に体重は5キロ落ちたが「どんな選択をしても、後悔はしないようにしたい」と決断を下した。新たな背番号は「23」が候補に挙がる。来季は節目のプロ10年目。巨人のユニホームに袖を通し、新たな1歩を踏み出す。

 ◆野上亮磨(のがみ・りょうま)1987年(昭62)6月15日、福岡県生まれ。神村学園で05年センバツ準V。日産自動車を経て08年ドラフト2位で西武入団。09年4月30日ソフトバンク戦でプロ初登板。13年に自身初の2桁勝利となる11勝。今季は9月23日オリックス戦でプロ初完封。自己最多に並ぶ11勝を挙げた。今季年俸5000万円(推定)。今年3月に元モーニング娘。の石川梨華(32)と結婚。来春には第1子が誕生予定。177センチ、74キロ。右投げ右打ち。