広島田中、史上7人目3年連続100得点でV貢献だ

ダイヤモンドヘッドの頂上で絶景を背に笑顔の広島田中(撮影・前原淳)

 【ホノルル(米ハワイ州)4日=前原淳】広島田中広輔内野手(28)がレジェンドに並ぶ記録達成を誓った。シーズン中ダイヤモンドを疾走した広島の切り込み隊長は、優勝旅行先のハワイではダイヤモンドヘッドに登った。光り輝く日の出をみ見ながら来季、輝かしい実績を残した王、福本、イチローら偉人たちに肩を並べる3年連続100得点を目指す決意を固めた。得点者という「黒子」に徹して、チームの3連覇に貢献する。

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 まだ薄暗い朝6時過ぎから、田中は足場の悪い道や階段を上り、ハワイの日の出を拝んだ。「きつかったけど、登って良かった」。ワイキキを望むハワイのシンボル、ダイヤモンドヘッドの頂上で、トップバッターとしての決意を誓った。「3年連続100得点することが目標。それが1番の仕事。僕だけでは100得点はできない。後ろを打つ選手に助けてもらいながら、やりたい」。広島3連覇の鍵を握る1人である、打線の切り込み隊長の覚悟は固まった。

 今季、1番としての役割をまっとうした。遊撃手としては球団初の2年連続フルイニング出場。盗塁王と最高出塁率の2冠を獲得。105得点で、リーグトップの得点数を誇った打線をけん引した。ベストナインにも輝く働きだったが、黒子に徹する役割でもある。「1番打者は目立ってはいけないと思っている。目立つのは3、4、5のクリーンアップでいい。僕は得点を稼げればいい」。シーズン中はお立ち台を拒むこともあった。

 今季ダブル受賞の盗塁王と最高出塁率を来季も続けて取ると、イチロー以来の快挙となる。だが色気は出さない。「最高出塁はおまけだったので、そこは1番で追い求めるのは難しい。(出塁率が)高いに越したことはないんですが、やっぱり盗塁の数を意識しながら、得点の数を意識しながらやりたい」。得点こそ、試合の勝敗に直結する。今季はチームメートの丸に譲った、連盟表彰のない「得点王」にこだわる。

 昨季から続くシーズン100得点を来年も継続し、3年連続となれば史上7人目となる。王、福本、イチロー、松井秀、青木、山田と、そうそうたる顔ぶれが並ぶ。黒子に徹してきた広島の切り込み隊長も来季、その名を球史に刻むかもしれない。