ソフトバンク1位吉住がでっかい夢「全タイトルを」

新入団発表会見で「最多勝」と目標を記した色紙を手にあいさつする吉住(撮影・栗木一考)

 記念すべきプロ生活スタートの日に、ソフトバンクのドラフト1位、鶴岡東・吉住晴斗投手(17)がでっかい夢を口にした。7日、福岡市内のホテルで新入団発表会見が行われ、最速151キロ右腕は「最終的には全タイトルを取りたい」と投手部門の総なめを目標に掲げた。秋から独自にウエートトレーニングで鍛え、球速もアップ。雪国で鍛えた基礎体力を下地に大投手への変身を誓った。

 吉住は会見で、力強くプロでの意気込みを口にした。「1日でも早く1軍に上がりたい。目標は最多勝です」。手にした色紙には「最多勝」と書いたが、事前アンケートの目標には「最優秀防御率」と答えていた。「タイトルは全部取りたいんです。まずは最多勝と最優秀防御率の両方を目指します」。最速151キロ右腕が、プロ入り発表の日からでっかい夢を描いた。

 すでに1歩を踏み出している。夏の大会後から本格的にウエートトレーニングに取り組み始めた。「学校ではあんまりやってこなかったけど、筋肉がなかったら体は強くならない。パフォーマンスを上げるために、ウエートトレは意識してます」。自己最速も2キロ上がって151キロ。食事も1日5食取るようにして「食べる量を増やして筋肉を増やすようにしてます」。将来160キロを目指す右腕は、着実にプロでの飛躍へ歩み始めている。

 身体能力の高さは折り紙付きだ。野球以外にも「剣道、テニスをやっていたし、遊びでバスケットやバレーボールもやります」というスポーツ好き。特に「バスケットではジャンプ力が必要だし、それは下半身が鍛えられる」。作山スカウトは「完全な素材型でスポーツセンスがいい。高校の指導者に聞くとバレーボールでもバスケットでも全国トップクラスの選手になると言っています」と、他競技でも「ドラ1」レベルであることを明かした。吉住は「雪かきや雪の上でのランニングとか下半身は鍛えられましたね」。腰の高さまで降ることもある雪国で培った体力が、プロでも支えになりそうだ。

 背番号は26に決まった。「以前、つけていた松中さんよりも活躍して、26は吉住だと言われるようになりたい」。目標とする千賀、武田に追いつき追い越して、ソフトバンク吉住がタイトル全奪取へ駆け上がる。【浦田由紀夫】

<吉住晴斗(よしずみ・はると)アラカルト>

 ◆生まれ 2000年(平12)3月12日、山形県出身。

 ◆野球歴 小学校時代は大宝寺スターファイブでプレー。鶴岡二中では軟式野球部所属。鶴岡東で2年夏に甲子園出場。1イニングだけ登板し無失点。3年夏は山形大会3回戦で敗退。

 ◆球種 直球の最速151キロ。スライダー、カーブ、カットボール、チェンジアップ、フォークボール。

 ◆遠投 100メートル。

 ◆握力 右57キロ、左57キロ。

 ◆スポーツ 剣道、テニスを経験。バスケットボール、バレーボールを「遊び程度」。

 ◆ニックネーム 「ズミ」

 ◆好きな言葉 「細心而剛胆(さいしんにしてごうたん)」。常に用心深く大胆な投手になりたいから。

 ◆サイズ 身長185センチ、体重83キロ、胸囲95センチ、足のサイズ28・5センチ。

 ◆投打 右投げ右打ち。

 ◆血液型 AB。