阪神ロザリオきょう大安発表へ 仏滅避けた深い訳

阪神から大安の今日、獲得が発表される見通しのロザリオ(ロイター)

 阪神が新外国人のウィリン・ロザリオ内野手(28=韓国・ハンファ)の獲得発表を、きょう13日に行う見通しであることが12日、分かった。すでに条件面で合意し、入団は確実な状況。この日正式契約を発表する可能性があったが、球団が六曜の「仏滅」を嫌って回避し、13日の「大安」を選んだもようだ。虎の命運を握る4番候補だけに、縁起担ぎもバッチリ。今日13日、新大砲がどんな決意表明をしてくれるのか、楽しみだ。

 縁起を担いででも、成功してほしい。「虎のロザリオ」の誕生日は、球団の願いがこもっていた。条件面で合意しており、正式契約は時間の問題。前日11日には新外国人モレノやマテオ、ドリスの契約が発表されただけにこの日、ロザリオの獲得発表がアナウンスされる可能性があった。しかし球団関係者は言った。「海の向こうのことですが、良い日取りを考えないといけない」。12日は六曜の「仏滅」だった。万事に凶-、と言われる日をあえて避けた形だ。

 一夜明ければ、吉日になる。きょう13日は「大安」だ。縁起のいい日に新助っ人を迎えたい。球団フロントのこだわりが見えた。実は過去にも大吉発表はあった。昨年のキャンベルは「友引」だったが、不発に終わった。成果を収めたマートンやゴメスはロザリオと同様に「大安」が選ばれた。さっぱりだったヘイグも「大安」だったが、それほど期待していた裏返し。メジャー帰りの城島と正式契約したのも「大安」で、阪神がここぞで見せる「験担ぎ」だ。

 力が入るのも無理はない。13年ぶりのリーグ制覇実現は、外国人野手の成否が鍵を握る。10月のオーナー報告で、金本監督は今季の誤算をこう話していた。「外国人の打者ですかね。ほぼ日本人選手で戦ってきましたから。もう少し打てる選手、打ってくれたらなというのが誤算ですね」。この席でも大砲の加入を熱望。それに応えるために、ロザリオ獲得に動いた。

 条件面では2年総額9億円前後の大型契約で合意している。これは新外国人野手の史上最高額だ。この日、谷本球団副社長兼球団本部長は「メディカルチェックを無事にすませ、間近かな」と正式契約の完了に自信をのぞかせた。

 海の向こうにいるロザリオは「タイアン」と言われても、理解できないかもしれない。それでも金本阪神の熱意と期待は伝わるだろう。待望の4番候補が、いよいよ加入する。果たしてどんなタテジマ第一声が飛び出すのか、楽しみだ。

 ◆ウィリン・ロザリオ 1989年2月23日、ドミニカ共和国生まれ。06年ロッキーズ傘下でデビューし、11年メジャー初出場。メジャー実働5年、447試合で71本塁打。16年からハンファに移り、2年連続3割30発100打点。180センチ、99キロ。右投げ右打ち。

 ◆六曜 暦に書き足され、日時や方位などの縁起のよしあしなどを表す「暦注」のひとつ。「六輝」ともいう。中国から伝わり、江戸時代後期から一般的に使われるようになった。

<阪神近年の「大安」契約>

 ◆真弓監督 13差を逆転された岡田監督が電撃辞任した08年オフ、大安の11月17日に真弓新監督と正式契約した。2年契約で年俸8000万円。前日秋季キャンプを終えて帰阪したばかりだが、南球団社長は「日柄が良かったので契約しました」と笑顔で説明した。

 ◆城島 09年オフにマリナーズから加入した城島の入団発表が大安の11月13日に行われた。当日は西洋では不吉とされる13日の金曜日だったが、関係者は「ちょうど大安。(ヤンキースの)アレックス・ロドリゲスは背番号が(西洋で不吉とされる)13番だし、あまり関係ない」と明かした。

 ◆藤浪 12年に4球団競合の末ドラフト1位指名した藤浪の仮契約(11月15日)と入団発表(12月3日)を大安に合わせた。南球団社長は「(中村)GMがそういう風にしているみたいだな。意外に、GMはそういうところにこだわるだろう」と説明した。