巨人ゲレーロ獲得 攻守でチーム強化を託せる理由

17年9月19日、中日対巨人戦で左越えに本塁打を放つ中日ゲレーロ

 巨人は15日、前中日のアレックス・ゲレーロ内野手(31)との契約に合意したと発表した。契約金を含め2年総額約8億円(金額は推定)で、背番号は「5」に決まった。今季35本塁打で本塁打王に輝いたゲレーロの加入により、大砲不在の課題を解消。今オフは西武からFA宣言した野上亮磨投手(30)も獲得しており、来季の4年ぶりリーグ制覇に必要な投打のピースを埋めた。ゲレーロは来年1月下旬に来日する予定。

 巨人が今季のホームランキングの補強に成功した。この日、ゲレーロとの契約合意を発表。米国でのウインターミーティングから帰国した鹿取GMは「加入を非常に心強く思います。ホームラン王ですからね」と笑顔を見せた。ゲレーロは球団広報を通じ「歴史と伝統のある巨人軍の一員になることができて非常にうれしく思います。チームをリーグ優勝、日本シリーズ制覇へと導くことができるように全力を尽くします。東京ドームの熱狂的なファンの前でプレーすることがとても楽しみです」と決意表明した。

 今季、来日1年目ながら日本野球に適応し、打率2割7分9厘、35本塁打、86打点の成績を残した。出場130試合中66試合で4番を張り、広いナゴヤドームを本拠地にしながら本塁打王に輝くなど、高い打撃力をいかんなく発揮した。

 V奪還を目指す巨人打線の、課題を解消できる存在だ。4位に沈んだ今季のチーム最多本塁打はマギーの18本。大砲不足は顕著で、総得点536は2連覇した広島より200得点も下回った。そんな打線に、長打率でもリーグトップの5割6分3厘をマークした助っ人が名を連ねる。鹿取GMは「(長打力不足は)今年の課題だったと思うので(期待するのは)そこでしょうね。クリーンアップとして頑張ってもらいたい。中心打者として得点力の向上に貢献してくれることを期待します」と打線強化を託す。守備位置も左翼と三塁をこなせるだけに、起用法の幅も広がりそうだ。

 今オフは今季14勝8敗のマイコラスこそメジャー移籍で退団したものの、西武からFAで野上を獲得。野上、ゲレーロと投打で新たな柱を加えることに成功し、鹿取GMは「課題はクリアできたかなと思う。これでだいたい、そろったかなと」と語った。11年ぶりBクラスからの逆襲に向け、役者がそろってきた。【浜本卓也】

 ◆アレックス・ゲレーロ 1986年11月20日、キューバ生まれ。亡命して13年にドジャースと4年契約。翌年にメジャーデビューし、15年は106試合で11本塁打。今年から中日でプレー。球団新記録となる6試合連続本塁打を記録するなどアーチを量産し、35本塁打で本塁打王に。17年は年俸1億5000万円(推定)。182センチ、99キロ。右投げ右打ち。

 ◆本塁打王の移籍 本塁打王を獲得した年に移籍した選手は、06年に本塁打王、打点王の2冠となった小笠原(日本ハム→巨人)以来11年ぶりで、ゲレーロが9人目。過去8人のうち、移籍初年度に本塁打王となったのは04年のローズ(巨人)だけ。