ソフトバンク今宮3割30盗塁 メジャーの夢も激白

昨年の日本シリーズの紙面を手に今季の活躍も誓う今宮(撮影・栗木一考)

 バットでも貢献し、2年連続日本一へとチームを導く。ソフトバンク今宮健太内野手(26)が、日刊スポーツの新春インタビューで「打率3割、20~30盗塁」の目標を語った。昨年は5年連続のゴールデングラブ賞に2度目のベストナインを受賞。日本を代表する遊撃手は、将来のメジャー挑戦への熱い思いも語った。【取材・構成=石橋隆雄】

 -プロ9年目のシーズンを迎える。昨年は打撃面でキャリアハイを記録。今年は打率3割を狙う

 今宮 プロに入った時から3割を目標にしていた。やっと今その階段に足をかけるか、かけないかのところまできた。

 -昨年は141試合に出場。そのうち2番でのスタメンが117試合だった

 今宮 ゆくゆくは1番を打ちたい。今年は1番か2番か分からないが、1番だったら塁に出る、出塁率が大事。2番なら打てる2番になりたい。現代の野球はそういうチームも多い。昨年は走者一塁で工藤監督が悩んだ場合はほぼバントだった。今年は悩んだ時に打たせようと思ってもらえる打者になりたい。バントもできて打てれば、いろいろ作戦が立てやすい。

 -昨年は初球を打った打率が打率3割8分6厘(44打数17安打)と高かった

 今宮 監督、打撃コーチからも初球からドンドン打っていいと言われていた。

 -右方向へも大きな打球が飛ぶようになった

 今宮 センター返しのつもりで常に打席に入っている。振り遅れが右方向に飛んでいけばいいと思っている。僕は右打ちはできない。コンスタントに結果を出すのが一流だと思う。内川さんは土台がしっかりしている中で打撃をしている。昨年1年間で僕の土台もある程度はつくれたと思う。今年は打撃で次のステップへいく大事な年。自主トレ、キャンプ序盤までに自分の形をつくりたい。いいスイングでいい打球が飛ばせれば、あとは安打になるかは運まかせ。

 -打撃の成長を自分でも感じることがあるようだ

 今宮 質問が具体的になってきた。今までは内川さんに「どうやったら打てるのか」とか聞いていたが、今は「速球に対してどういう形でいくのか」とか。僕もまだ分からないことが多いので、内川さんに聞いて、ああ、そういう考えなんだ! じゃ、そうやってみようと。

 -走塁面でもV奪回に貢献。昨年は自己最多、チームトップの15盗塁をマークした

 今宮 毎年20~30盗塁を目標にやっている。その中で、年々スタートを切るレベルが上がってきている。日本ハムの西川(39盗塁で17年盗塁王)、西武源田(37盗塁)だったりと、トップクラスの選手はたくさんいる。僕ももっと走らないといけない。

 -日本シリーズでもチームトップの3盗塁

 今宮 盗塁が決まれば得点圏に進んでチャンスになる。日本シリーズは一塁コーチの鳥越さんから「行け! 行け!」と背中を押された。今年は行ける時は行くようにしたい。

 -恩師の鳥越コーチがロッテに移籍した

  今宮  本当にいろんなことを教わった。いなくなったことをきっかけに、成長できるようにしたい。

 -12月10日北九州でのトークショーでは将来のメジャー挑戦の思いを明かした

 今宮 行ってみたい思いはある。メジャーのテレビ中継や遊撃手の動画集を見ると、次元が違う。肩は強いし、ハンドリングもすごい。本当にメジャーの遊撃手のレベルは違う。そこになりたいと思ってやってはきているが、なかなか厳しいものはある。

 -順調にいけば海外FA権は2020年に取得できる。やはり遊撃手で挑戦したい

 今宮 別にポジションは何でもいい。あそこの野球を経験してみたい。日本とメジャーでは野球が全然違うと思う。あっちが欲しいと言ってくれないと行けない。そのための3年。どこまでレベルアップできるかわからないけれど、大きな夢として持っておきたい。

 ◆今宮健太(いまみや・けんた)1991年(平3)7月15日、大分・別府市生まれ。明豊中では軟式野球部。明豊では2、3年時にセンバツ出場。3年夏は甲子園8強。高校通算62本塁打。投手としても154キロをマーク。09年ドラフト1位でソフトバンク入団。プロ3年目の12年シーズンから遊撃手のレギュラー。右投げ右打ち。172センチ、76キロ。今季推定年俸は2億2000万円。