清宮、憧れDバックス・グリンキー投手と堂々英会話

キャンプ初日、日本ハム清宮(中央)はユニホーム姿で集合写真撮影に臨む(撮影・松本俊)

 【スコッツデール(米アリゾナ州)31日(日本時間2月1日)=木下大輔、中島宙恵】日本ハムのドラフト1位、清宮幸太郎内野手(18=早実)が、米大リーグ、ダイヤモンドバックスのスター選手、ザック・グリンキー投手(34)からの激励に奮い立った。今日2月1日(同2日)のキャンプインは、負傷した右手親指の影響で別メニュースタートに。日々の状態を見ながら、完全合流の時期を模索する。

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 異国の地で迎えるキャンプインを前に、期待感と悔しさが入り交じっていた。新人7選手のうち唯一、米アリゾナの1軍キャンプに呼ばれながら、まさかの別メニュースタートとなった清宮は「無理せず、どうやったら一番良い形でシーズンに入れるかを考えたい」と、焦りや不安など、負の感情をぐっと押し殺した。

 新人合同自主トレで痛めた右手親指の状態は、悪くない。この日は丸1日、クラブハウス内に引きこもって、アイシングや電気治療など体のケアにあてた。今後は打撃練習を制限しながら、全体合流の時期を探っていくことになる。

 傷心を、奮い立たせる出会いがあった。先乗り自主トレを行っていたDバックスのウエート場で、憧れのグリンキーと遭遇した。トレーナー室で見つけたラグビーボールを手にしていたため「ラグビー選手か?」と間違われたそうだが「ツーショット写真を撮ってもらいました。いい経験ができました」と、にっこり。中学時代に英語部で鍛えた語学力を駆使して、以前、ドジャース時代のグリンキーの登板試合を観戦したこと、同じ背番号21で喜んでいることなどを本人に伝えた。

 ドジャースでグリンキーと同僚だった谷ヘッドトレーナーは「(グリンキーが清宮のことを)『22歳に見える』と言うので『日本で一番注目されている18歳だよ』と教えました」と2人を引き合わせた上で「ヒアリング能力が高く、大物相手にも、ちゅうちょなく話しかけていた」と、清宮の英語力に感心。「頑張ってね」とサイ・ヤング賞右腕の方から写真撮影を提案してきたという。将来的にメジャー挑戦を夢見る18歳にとって励みになったことは、間違いない。

 さぁ、いよいよ、初の春季キャンプの幕開けだ。「こういう世界で、競争が激しいのは分かっている。ユニホームの重みが今までとは違ってくると思うが、キャンプの雰囲気を肌で味わいながら過ごせたら」。米アリゾナで行われる2週間の1次キャンプから、勝負のプロ生活が始まる。