理想は足使える5番糸井/金本監督×番長三浦対談1

本紙評論家の三浦大輔氏(右)と対談し笑顔を見せる金本知憲監督(撮影・加藤哉)

 阪神金本知憲監督(49)が、日刊スポーツ評論家の三浦大輔氏(44)と宜野座キャンプで対談した。「18年最強オーダー」がテーマ。現役172勝の三浦氏が「番長目線」から手ごわい打順を考案し、80点のお墨付きを得た。

 今季は糸井嘉男外野手(36)が移籍2年目で初めて、5番起用される可能性が浮上した。長打力&脚力を生かす思惑だ。また、打撃で成長する糸原健斗内野手(25)が遊撃の有力候補として高く評価された。【取材・構成=宮下敬至、酒井俊作】

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 三浦大輔氏(以下三浦) ヨロシクお願いします。18年キャンプ、滑り出しはいかがですか。

 金本監督(以下金本) 思った以上に選手が12月、1月に体を作ってきてくれている。しっかり準備してきてくれているなと。

 三浦 早速、本題ですが報道での打順は3番福留選手、4番ロサリオ選手が決まっているとのことです。

 金本 今のところはね。(福留)孝介に休みをつけてやらないといけないし、できれば早く代えてあげたい。3番は1イニングでも早く交代できる。でも、糸井が今年、長打力を発揮してくれれば3番も面白い。

 三浦 本当にスゴイ筋肉ですよね(笑い)。このオフだけでなく、ずっと継続して、あの体でしょう。

 金本 いま、糸井に「ポイントをもっと前にしなさい。(捕手寄りに)入れすぎているから」と言っている。もし、ポイントがある程度、前の方でさばけるようになったら、あのパワーだし、長打が増えるかな。

 三浦 そうなると、福留選手と重なります…。

 金本 そうなんよねえ。

 三浦 1番はないですか?

 金本 もし長打力がついたら1番にするのは、もったいない。走者がいる打順に置いて、と思う。でも、5番糸井もありだろうね。足も使えるから。3番って、意外と足を使いにくい。

 三浦 4番の前ですしね。

 金本 俺も経験あるけどどうしても、遠慮するからね。そういう意味で5番に置けば、次の6、7、8番と打順が下がって足を使える。理想は1番か5番になるかな。足を生かしたいからね。3番でもいいけど、現実的には主軸の前で、走りにくいというのがある。

 三浦 キャンプ、オープン戦でオーダーを見極めていくことになりますよね。投手目線から、自分が「てごわく嫌な阪神のオーダー」を考えてみました。攻撃的なオーダーなら、糸井選手を1番に持ってきて、大山選手、福留選手、ロサリオ選手、鳥谷選手って…。

 (金本監督が三浦氏考案のオーダーを見ながら)

 金本 ジグザグになってるね。西岡もいるからね。

 三浦 スゴイ打線ですよね。何点くらいですか、このオーダーは。

 金本 80点くらいじゃないかな(笑い)。「なるほど」と思う。確かに、ありはありだよね。

 三浦 2番に大山選手が面白いと思っているんですが、どうでしょう。

 金本 その発想はなかったね。

 三浦 クリーンアップがしっかりしているから2番大山選手というのも、できるのかなと思ってます。大山選手らの二遊間やセンターは競争になりますよね。

 金本 固定できないのが悩みだけど、固定できない面白みもある。

 三浦 候補が増えている印象です。中谷選手、高山選手、北條選手…。

 金本 糸原も使わんと。パンチ力があるんだよ。豆タンクみたいな体をしてるけど(笑い)。

 三浦 パワー、ありますよね。

 金本 バットの出足の速さはチーム2位なんだよ。測ってみたら。実は糸井の次なんだよ。

 三浦 そうなんですか!?

 金本 去年より上積みもある。もう少し、下半身をうまく使えるようになったら長打も出るかもしれない。

 三浦 楽しみな選手がいっぱい、いますよね。

 金本 楽しみだけど決め手がないのよ(笑い)。

 三浦 でも、我慢して使い続けてきた選手が、そろそろ開花する時期に入ったんじゃないかと思います。

 金本 そうだね。3年目で、過去2年、野手に関しては僕もコーチと一緒にやってきて、浸透してきたというか、成長してきた。意識も変わってきてくれた手応えはある。あとは彼らが積み上げてきたものを、どう爆発させるかだろうね。

★三浦氏目線の最強オーダー★

 1番 右翼 糸井

 2番 二塁 大山

 3番 左翼 福留

 4番 一塁 ロサリオ

 5番 三塁 鳥谷

 6番 中堅 中谷

 7番 遊撃 西岡or北條or糸原

 8番 捕手 梅野or坂本

 9番 投手