楽天2位岩見場外5発!62振で15発1軍殴り込む

フリー打撃で放った打球を見上げる楽天岩見(撮影・横山健太)

 楽天ドラフト2位の岩見雅紀外野手(23=慶大)が8日、沖縄・久米島2軍キャンプ初のフリー打撃を行い、62スイングで15本の柵越え、うち5本の場外をマークした。発熱により2軍コンディション組スタートだったが、この日から2軍本隊へ合流。遅れてきた右の和製大砲が、初の実戦練習で本領を発揮した。当面は2軍で調整し、21日から宮崎・日向で行われる練習試合の結果次第で2月末には1軍に昇格する。

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 病み上がりでも岩見は飛ばす。発熱による出遅れをものともしない。キャンプ8日目にして初めて2軍の全体練習に参加。初のフリー打撃は、62スイングで左方向を中心に15本の柵越えをマークした。うち5本を場外に突き刺しても、満足した表情は1つも見せなかった。

 岩見 フリー打撃は慶大引退以来か年末実家に帰った時ぶり。こんなもん。僕が思ったより飛ばなかった。

 コメントは控えめでも、和製大砲の素質は十分に見せた。2軍の仲里球場は両翼100メートル、中堅122メートルを誇り、巨人のキャンプ地サンマリン宮崎と同サイズ。この日、中日から巨人に移籍した昨年セ・リーグ本塁打王ゲレーロは偶然にも62スイングで、20発だった。出遅れを“忖度(そんたく)”すればゲレーロ級のスラッガーぶりだ。見守った池山2軍監督は「パワーあふれる打者。もともと室内で打っている時からインパクトの強さは感じていた。初日からあれだけの角度のある打球はまずまず。打ち方が柔らかいから長打が打てる」と評価した。

 一時は39度近い高熱が出て、1月31日の自主練習から3日続けて宿舎で静養した。体力の低下を心配されても「体力がないのはもともと。ばてるのは得意なので」と笑い飛ばした。当面は2軍で調整し、21日から始まる練習試合で結果を出して、2月末の1軍昇格をにらむ。この日は「体の動きと自分がイメージしている動きのズレがある。そこが一致しないと打撃がスタートできない。突っ込んだり、体が開いたりする」と首をひねった。修正を重ね、自分の打撃を完成させる。

 「開幕1軍は?」との質問には、岩見自らが遮った。「まずやらないといけないことがある。(1軍に)上がってから考えても遅くはない。長い目で見た目標はあるけど、自分のやるべきことは、しっかり集中してやりたい」。まずは自慢の打撃をさらに磨いて、1軍に殴り込みをかける。【高橋洋平】