巨人ゲレーロ20発「打球落ちない」高橋監督高評価

ランチ特打で20本の柵越えを放った巨人ゲレーロ(撮影・たえ見朱実)

 太陽がキングに火を付けた。昨季セ・リーグ本塁打王の巨人アレックス・ゲレーロ外野手(31=前中日)が8日、初めて屋外でフリー打撃を実施。62スイング中20本が柵越え、最高飛距離140メートルと強打を発揮した。過去の助っ人外国人も両翼100メートルのサンマリン宮崎では10発を超えるのでさえ、まれ。新4番候補の大砲は、宮崎春季キャンプ第2クール3日目でようやく気温が上昇したことで、調整も上向くと強調した。

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 打球音が太陽にほえた。午前11時55分、ゲレーロが穏やかな日差しを受けながら打撃ケージに入る。寒波が続く宮崎で気温8・4度。風もなく、今キャンプ一番の暖かい体感気温にバットが躍った。9球目で左翼スタンドへたたき込むとショーが始まる。18球目からは3発連続の柵越え。59球目には弾丸ライナーでバックスクリーンを強烈にたたいた。初の屋外フリー打撃で62スイング中20発で、最高飛距離は140メートル。「お日様がそうさせてくれたんだ」と笑った。

 太陽を恋しがっていた。前日7日までの宮崎キャンプ地の平均気温は7・3度。凍える寒さが続き、室内練習場で打撃を繰り返していた。外で動けず「カリブの人間だから寒いのはダメ。外で打ちたいという気持ちがあった」とたまったうっぷんを爆発させた。フリー打撃後に20本柵越えしたと聞かされると「それだけ? もうちょっといける。35本くらい」と昨年の本塁打数を引き合いに、冗談を飛ばすほどご機嫌だった。

 巨人を上昇させる4番となる。ペタジーニ、李承■、ラミレスら、過去の助っ人外国人も両翼100メートルのサンマリン宮崎でのフリー打撃ではなかなか快音を響かせられなかった。風も穏やかな条件だったが実力を見せ、高橋監督も「力があって飛ぶよね。上に上がって角度がいい打球も打っていたし、本当に打球が落ちてこない」と評価。ゲレーロも4番について「非常に誇りだし、そうなれば全力を尽くす」と意気込んだ。

 具体的な本塁打数を明言しないが、球団関係者には「去年、東京ドームが本拠地だったら50発打っていた」と豪語。憧れのキューバ代表オレステス・キンデランのように東京ドームでのアーチを意気込む。今後の実戦出場は14日の沖縄移動以降の見込み。「太陽があれば暖かいし、なければ寒い。だから僕は太陽が大好きさ」。新4番候補が太陽のように明るくチームを照らす。【島根純】

※■は火ヘンに華