日本ハム、近藤の捕手起用で攻撃力アップ狙う 

練習試合 KIA対日本ハム 3回表、適時二塁打を放つ近藤(撮影・狩俣裕三)

 打てる最強捕手へ、着実に歩を進めている。日本ハム近藤健介捕手(24)が19日、韓国KIAとの練習試合(金武)に「3番捕手」でスタメン出場。1次キャンプ地の米アリゾナでの実戦では1イニング限定だった捕手としての出場が、この日は2回までマスクをかぶった。打っては前日18日の阪神と練習試合(宜野座)から5打席連続安打となる2打数2安打2打点と強打は健在。12球団最強打線構築へ、近藤が本職で精進を続ける。

 3番捕手で固定されるなら、必ず相手の脅威となる。近藤が理想の形へ、また1歩前進した。1次キャンプを行った米アリゾナから帰国後初めて、実戦でマスクをかぶった。先発浦野とバッテリーを組み、初回は3者凡退で無失点。2回は、柔らかいマウンドなどに苦しんだ浦野の制球も乱れて1死満塁とされた。犠飛で1点を許したが、なんとか最少失点で踏ん張らせるリードを見せた。

 米アリゾナでは3試合中2試合で捕手を務めたが、1イニング限定だった。わずかだが、2イニングと前に進んだ。「久々に緊張しました。ブロッキングだったり、まだまだ課題が山積みだと思う」と、反省ばかりが口を突く。本格的に捕手に取り組むのは2年ぶり。昨季は腰のヘルニアの手術も行っており、栗山監督は「体の状況を見ながら。そんなに慌てていない」。徐々に、感覚を取り戻させていくつもりだ。

 突出する打撃力をチームで一番生かせるのが、捕手のポジションだ。同監督は言う。「コンちゃん(近藤)が、ずっとキャッチャーをやるのが一番強い」と。近藤が、どこを守るかでラインアップは大きく変わる。捕手以外なら右翼が基本線。外野はレギュラー当確の西川に加えて、昨季台頭した松本や大田がいる。17日の紅白戦で特大本塁打を放った岡や故障明けの浅間ら実力者もそろう。捕手近藤が軌道に乗れば、12球団最強打線も見えてくる。

 この日の試合でも近藤は初回に落ちる球をうまく拾って先制の中前適時打。3回には高めに浮いてきた変化球を逆方向へ運ぶ適時二塁打を放った。前日18日の阪神戦から5打席連続安打と打力は抜けている。「まずはバッティングでしっかりアピールして。開幕スタメンは絶対に譲りたくない」。開幕スタメンは当確。捕手としても精進を続け、今季中に理想を現実にする。【木下大輔】