広島ジョンソンの相棒は会沢!石原の「定位置」奪うぞ

広島対KIA 2回裏広島無死一塁、会沢は中越え適時二塁打を放つ(撮影・加藤哉)

 真の正妻へ第1歩-。広島会沢翼捕手(29)が22日、チームの大黒柱クリス・ジョンソン投手(33)の対外試合初登板となる、練習試合の韓国・KIA戦(コザしんきんスタジアム)でバッテリーを組んだ。昨年まで3年間、シーズンで1度しか先発マスクをかぶっていない左腕の好投を引き出し、2回無失点。信頼を勝ち取り、若手投手もけん引する。昨年ベストナインを獲得した扇の要は今年、揺るぎないポジション確立を目指す。

 開幕投手候補の1人ジョンソンにとって、大事な今年初の対外試合。女房役を任せられたのは、会沢だった。昨年自身初のベストナインを獲得するも、ジョンソンとスタメンでバッテリーを組んだのは、助っ人のシーズン最終戦1試合のみ。来日後の3年間で見ても、その1度しかない。それほど石原の聖域だった左腕エースとのバッテリー。会沢が新境地を開拓して、真のコイ女房にまた1歩近づいた。

 立ち上がりの1回、先頭打者にいきなり左前打されても落ち着いていた。続く打者に粘られながら二ゴロに打ち取ると、3番打者はチェンジアップで空を切らせた。2回もややフォームを崩した左腕をうまくリードした。2回まで打者8人、34球で2安打1四球も、3三振無失点。上々の滑り出しを引き出した。

 今キャンプではジョンソンの2度目のブルペン投球からコンビを組み、フリー打撃でもバッテリーを組んだ。植田バッテリーコーチは「(2人の息が)合わないわけではない。会沢は会沢らしい組み立てをしてくれる」と期待を寄せる。昨年は不本意な成績に終わった助っ人左腕だが、今季は期待が大きい。会沢は「(バッテリーを)組ませてもらえるようにしっかりコミュニケーションを取りたい」と意気込んだ。チームの大黒柱を勝利に導いてこそ、真の正捕手と言える。

 若手投手を引っ張るのも、正捕手の役割。3回からは年下の九里とバッテリーを組んだ。ボール先行の投球が続く右腕のマウンドへ歩み寄り「バックが守ってくれているんだから、どんどん投げてこい」と背中を押した。3イニング目の5回は3者凡退で切った。

 今年は石原だけでなく、磯村、若い坂倉も台頭する。正捕手争いは例年になく厳しくなっているが、昨年チーム捕手最多出場の会沢は誰にも譲るつもりもない。「実戦に出ていろんな投手の球を受けていきたい」。ただ投手陣を引っ張って行くことだけを考え、開幕を見据える。【前原淳】