広島緒方監督、高橋昂也ら5人に「キャンプ監督賞」

ブルペンで投球練習する高橋昂(撮影・加藤哉)

 充実のキャンプ打ち上げだ。リーグ3連覇と日本一を目指す広島が27日、春季キャンプを終えた。宮崎・日南から沖縄へと場所を移した1カ月間。課題にしていた若手のアピールを喜んだ緒方孝市監督(49)は最終日、5選手にキャンプの「監督賞」を手渡した。過去にチームで贈呈例はあるが、緒方監督の就任後は初。戦力の底上げに向け、より大きな期待を込めた。

 緒方監督は手締め前の円陣で1人ずつ名前を呼んだ。まずはアドゥワ、高橋昂、藤井皓の若手3投手。さらに下水流と上本の6年目野手コンビ。計5人に茶封筒を手渡した。「頑張って、目立ってたもん。さらに期待を込めてね」。就任4年目で初めてのキャンプ監督賞を贈りたくなるほど、充実の1カ月だった。

 「チーム全体から見ればしっかり練習ができた。選手は頑張ってくれた。若い人にとっては、この期間が第1段階。いいものを数多く見せてくれた。うれしく思う。さらに(時期を)引っ張って見てみたい」

 目立ったと口にした選手は、投手では前出の3人と塹江。野手では堂林、下水流、西川、坂倉の4人。つらつらと列挙できるほど、アピールが届いていた。日南入り時に掲げた課題の1つが投手陣の底上げ。若手の成長を促し、1軍に多く呼んでいたが「期待以上のものが出ている」とここまでは及第点を与えた。

 下地は整ったが、手放しでは喜んでいない。「不安材料はたくさんある。層が厚いとは思っていない。戦力の底上げを課題に置いている」。4番を狙うバティスタが終盤に左手の骨挫傷で離脱。正三塁手候補の安部も腰の張りを訴えた。指揮官は「1カ月もやれば体が疲れるし、アクシデントもある。100点満点ではない」と総括。ただ昨年8月に右足首手術した鈴木、右肩が不完全だった丸は状態を上げてきたのは好材料と言えそうだ。

 3月からベテラン新井も1軍に合流し、オープン戦が本格化する。3日には監督の地元、佐賀での西武戦が控える。「体力づくり、反復練習は終わった。これからは勝敗じゃなく、チームとしての戦い方を意識していく」。開幕投手や先発ローテは「これから」と競争をあおった。監督賞を渡した選手ら、若手がより成長していく姿も楽しみにしながら、開幕までの時間を有意義にする。【大池和幸】