上原は巨人復帰濃厚「日本でやろうと」中旬にも決定

2月27日、手を振って成田空港から渡米する上原

 日本球界復帰を示唆していたMLB上原浩治投手(42)が2日、古巣でもある巨人への復帰が濃厚となった。米大リーグ・カブスからFAとなり、メジャー契約を希望してきたが、すでに米国での代理人には“日本復帰”の意思を告げた。水面下で獲得に乗り出している球団はあったが、電光石火でオファーした巨人が大本命。上原自身も古巣への愛着が強く「相思相愛」の状況。帰国後にも正式な交渉が予定されており、3月中旬には“古巣復帰”が実現する見込みとなっている。

 1度、決めた思いは強くなる一方だった。今季の移籍先について「日本でやろうと思ってます。いろいろ天秤(てんびん)にかけてやるのは嫌なので」と決意。開幕までメジャー契約を待つ道もあるが、日本で期待してくれる球団に対し、それまで返事を保留するわけにはいかない。この日、代理人には日本でプレーする趣旨を伝えた。

 27日に渡米し、家族との意思確認は終わった。長男の一真くんからは「俺が野球をやっている姿が見たいって言われた。自分に期待してくれる環境でやるのがベスト」と家族の考えも、自分の意思と同じだった。日本球界に復帰するなら、獲得への意思を伝えてくれた巨人に「古巣だし、愛着はある。正式な話は帰国してからだけど、巨人からの話はうれしいし、やりがいのある球団」と、まだ正式な交渉には至っていないが“フライング気味”の発言で、感謝の気持ちを言葉にした。

 あとは自らのパフォーマンスを100%発揮するだけだ。「メジャー以外は引退するつもり」という発言を撤回したのも、まだまだやれるという手応えがあるから。「しんどい練習をしていて、だんだんと“俺はなんで練習してるんや”って思うようになった」とこぼす日もあったが、日本での自主トレ中は週5日間、5時間近くの練習をこなしてきた。ブルペンでも約90球前後の投げ込み、連投もした。伝家の宝刀・スプリットはもちろん、昨年まではあまり投げなかったカットボールの精度も上げた。ずっとMLB球で練習をしてきたが、帰国後は日本球に持ち替えて練習をする。

 渡米して1週間になる来週の7日までには帰国する予定。「どうなるかは分からない部分もあるけど、どこでやるにせよ、開幕には間に合わせたいと思っている。自分のコンディションは大丈夫だけど、チームの方針とか、連係プレーとか、どこまでやればいいのか分からないとこもあるから。昨年まで問題なかったし、おかしなところはないけど、メディカルチェックもしないといけないだろうし」とすでに日本球界で投げる自らの姿も描いている。巨人にとっても、上原の加入は何よりも心強い強力な補強になるのは間違いない。日本球界にとっても、巨人にとっても、そして上原自身にとっても、「吉報」が届く日は近づいている。

 ◆上原浩治(うえはら・こうじ)1975年(昭50)4月3日、大阪府寝屋川市生まれ。東海大仰星から1浪して大体大進学。98年ドラフト1位で巨人入団。08年オフにFAでオリオールズ移籍。レッドソックス時代の13年には抑えでリーグ優勝決定戦MVP、ワールドシリーズ制覇。04年アテネ五輪、06年WBC、08年北京五輪代表。188センチ、88キロ。右投げ右打ち。