ここ10年の国際試合で、日本が辛酸をなめた試合には共通点がある。
08年北京五輪準決勝、3位決定戦 G・G佐藤の落球
13年WBC準決勝 意思の疎通を欠いた重盗失敗
15年プレミア12決勝 継投失敗
17年WBC準決勝 菊池、松田のジャッグル
勝負のやぐらが高くなるほど力が拮抗(きっこう)し、ミスが致命傷となって負ける。選手、コーチとして稲葉監督はすべての場面に立ち会い、肌で知っている。だから3日の試合、2-0の7回無死一塁で出た、記録に残らないミスに焦点を当てこだわり、繰り返し反省した。
打席の田中が送りバントを企画するも決まらず、フルカウントとなり、一塁走者の小林がスタートを切った。田中は打ちにいって捕ゴロとなり、結果として走者を送る格好になった。この過程で、ベンチと選手間の意思が一致していなかったという。
「1つ1つのサインの中で、こっちからの意図を選手に伝えていくのが大事だと分かりました。『このサインはこういう意図』と積極的に伝えながら、選手側からも聞きながら、チームを作っていった方がいいと感じました」
サインの細かな解釈は所属チームによって違う。腹を割って意見を出し合い、いち早く稲葉流の決め事を共有することでミスのリスクを下げ、戦術の精度を高めていった方がいい。加えて単純ミスは厳禁と命じ、緊張感を保ち続けた方がいい。3日の試合で出た2つの失策(遊撃手田中、三塁手西川)はジ・エンドの引き金となる危険をはらんでいる。投手力はこの2戦でも証明された。本番も緊迫した試合となる可能性が高く、1つのほころびで金メダルは逃げる。【宮下敬至】