オリックス田嶋「勝利投手ルール曖昧」も新人1番星

プロ1勝のオリックス田嶋(撮影・今浪浩三)

 期待の即戦力左腕が春を運んできた。オリックスのドラフト1位田嶋大樹投手(21=JR東日本)が12球団のルーキー一番乗りで白星を挙げた。開幕2戦目でチームも今季初となる勝利のハイタッチ。田嶋は守護神増井から受け取ったウイニングボールを大事にお尻のポケットにしまった。「すごいうれしい。ホッとしている。(勝利投手の)ルールが曖昧だったんで、勝利の権利があるぞと教えられてそこから胃がキリキリしてました(笑い)」。笑顔の花が咲いた。

 緊張から力みまくった。初回に川島に左翼ポール直撃のソロを浴びて先制点を献上。変化球の制球に苦しみ、2回を終えた時点で球数は65球だった。それでも「2、3回からいい感じで力が抜けた」。最速150キロの直球を中心に5回1安打1失点。王者ソフトバンクの強力打線を封じた。

 投げた直後に左手が跳ね上がるフォームは独特だ。「プロ野球とかメジャーもほとんど見なかった。誰かに憧れて野球を始めたわけではないので」。父秀則さんのアドバイスで作り上げたオリジナル。天性の柔らかな肩まわりが躍動感ある投球を可能にした。この日は両親をスタンドに招待。「(勝利球は)両親に渡したい」と、感謝の1勝をプレゼントした。

 福良監督は「3回くらいから落ち着いた。修正能力というのを持っている」と評価。次回登板は間隔を空けるプランもあったが「ローテで回す」と決断した。球団の新人が開幕カードで先発勝利を記録したのは64年ぶり。期待の超新星が、開幕ダッシュの大きな力になる。【桝井聡】

 ◆田嶋大樹(たじま・だいき)1996年(平8)8月3日生まれ、栃木・宇都宮市出身。小3で野球を始め、中学時代は鹿沼ボーイズに所属。日本代表として世界選手権に出場し、銅メダルを獲得した。佐野日大3年春のセンバツで4強入り。昨年10月のアジア選手権では決勝戦に先発し、優勝に貢献。182センチ、77キロ。左投げ左打ち。

 ▼ルーキー田嶋が初登板を白星で飾った。オリックス新人の初登板初勝利は89年4月13日酒井がロッテ戦で記録して以来、12人目(1リーグ時代4人、2リーグ制後8人)。開幕カードでは59年4月10日足立以来だが、足立は開幕戦で救援勝利。オリックスの新人が開幕カードで初登板先発勝利は、高橋相手の54年に3月27日開幕戦で梶本、同28日3戦目で国頭が記録して以来、64年ぶり3人目だ。ちなみに、00年以降に現12球団で初登板初勝利の新人がいなかったのはオリックスだけだった。