DeNAドラ2神里の神足 デビュー7試合で5盗塁

広島対DeNA 6回表、打者桑原の時、神里は二盗に成功。野手田中(撮影・栗木一考)

 神足のギアを一気に上げた。6回先頭、DeNA神里和毅外野手(24)が三塁線への打球を放った。「抜けたと思った」。だが、広島の三塁安部が好捕。二塁打を想定して膨らみかけた走塁だったが、二塁から一塁へ、瞬時に照準を切り替えた。加速しながらのヘッドスライディングで、内野安打。「6回にもう1度、ガッといくために(ヘッドスライディングを)やりました」。広島相手に3点リードが安全圏ではないことは、分かっていた。

 完全アウェーのマツダスタジアム。1本のヒット、1つの失策で流れを奪われかねない。もう1点が欲しい展開で、次打者桑原への初球から仕掛けた。快足を飛ばし、盗塁。内野ゴロの間に三塁まで進塁すると、筒香の犠飛で生還した。足を生かし4点差に広げ、広島の反撃から逃げ切った。「チームの雰囲気を変えることができれば」。敵地の空気をも変え、4試合ぶりの勝利を呼び込む決死の神ダイビングだった。

 沖縄出身のドラフト2位ルーキー。「幸せをつかんだら離さないように」と琉球の神に願い、1月の入寮の際には金色のシーサーを持ち込んだ。デビューからわずか7試合ですでに5盗塁。2度のトリプル3達成のヤクルト山田哲とセ・リーグ1位タイで並ぶ。新人ながら1番右翼を任され、走攻守の中で「1番は盗塁。まずは塁に出て走ることを1番に心がけている」と、リードオフマンとしての仕事を徹底する。1度つかんだチャンスは逃さない。「できれば(山田哲を)抜きたいですね」と、盗塁王まで駆け上がる。【栗田成芳】