ソフトバンク上林V打、最強8番の姿恩師に見せたい

決勝打を放ちソフトバンク工藤監督(左)とタッチを交わす上林(2018年4月7日撮影)

 ソフトバンクの最強8番打者上林誠知外野手(22)が9回に決勝適時打を放ち、チームの連敗を3でストップさせた。

 同点の9回、1死二、三塁から楽天の守護神松井のスライダーを右前へ運んだ。これまでは対左腕では代打を送られていたが、そのまま打席に入り工藤監督の期待に応えた。

 上林は冷静だった。「延長に入るのは嫌だった。寒かったんで」。デーゲームでも肌寒い仙台。同点の9回1死二、三塁のチャンスで、楽天松井のスライダーをとらえた打球は右前に弾んだ。

 これまで相手が左腕になると右の代打を送られていた。この日も川島、江川と残っていたが、工藤監督は「考えなかった」と上林に託した。開幕からこの日まで7試合連続安打を放ち、結果で信頼をつかんだ。相手は「ガチガチに意識する」という同学年の左腕松井。この日は普段の直球とチェンジアップではなくスライダーで攻められたが、初球のスライダーの残像を生かし決勝打に。チームの連敗を3で止めた。

 まだレギュラーの座は与えられていないが、開幕からすべて8番右翼でスタメン出場。22打数9安打、打率4割9厘はチームトップだ。海の向こうではエンゼルス大谷が同じ8番で3試合連続本塁打を放っている。上林は「確かに。あれ(大谷)はレベルが違うんで」と笑った。

 熱血指導をしてくれた王会長、5日の練習日に自ら打撃投手をして左腕対策をしてくれた工藤監督、観戦にきた両親のためにも打って恩返しするつもりだ。そして、一番見てもらいたいのは母校仙台育英の元監督佐々木順一朗氏(58)だ。昨年12月に部員による不祥事の責任を取り辞任。学校も退職した。「今は就活中じゃないですかね。佐々木監督の教えが正しいということを、僕が活躍することで証明したい」。佐々木氏から教えられた「運命を愛し、希望に生きる」を胸に、最強8番として不動のレギュラーをつかみとる。【石橋隆雄】