大山に金本監督「猫背禁止令」本来の姿取り戻せ

中日対阪神 フリー打撃を終えた大山(左)を呼び止め、指導する金本監督(右)(撮影・前田充)

 背筋シャキッで打撃もシャキッ! 阪神大山悠輔内野手(23)が17日、金本知憲監督(50)から「猫背禁止令」を出された。ここまで打率は1割9分1厘。不振の要因が猫背打法にあるとして、雨天中止となった中日戦(豊橋)前の打撃練習で、早速矯正指導を受けた。打順も7番まで下がったが、大山が復調すれば打線も勢いづく。雨の豊橋から背番号3の逆襲開始だ。

 しとしと降り続ける豊橋の雨に打たれながら、金本監督と片岡ヘッド兼打撃コーチが真剣な表情で大山の打撃練習を見つめていた。打率1割9分1厘。早く本来の調子を取り戻してほしい。原因は打撃フォームにあるのではないか。金本監督が声をかけた。

 金本監督 お前、忘れたのか、俺が前に言ったの。

 大山 忘れてました。

 金本監督 ちゃんと覚えておきなさい。

 指揮官から出されたのは「猫背禁止令」だった。打者は不振が長引けば、打ちたい気持ちがはやって姿勢が前のめりになりがち。大山には、以前にも猫背を指摘したことがあったという。だがその助言を忘れて、猫背になっていたとあっては…。金本監督と片岡コーチによる雨中の矯正指導が施された。

 金本監督 片岡が(大山の猫背を)言っていた。確かにそうやなと思って。(指導の後は大山も)『バットが出やすい感じはあります』と言ってた。

 大山 どうしてもボールに当てようとして、(体が)小さくなってしまっていた。自分でも感じていた。直すというか、反るというか、胸を張るように言われました。

 開幕から6番を任されたが、14日のヤクルト戦から7番に下がった。ここまで2本塁打でチーム最多の10打点とパンチ力は十分で、指揮官も「いずれは」と、将来の中軸候補と見込んでいる。キャンプなど、打撃の好調時は背筋が伸びていたじゃないか。傷口が深くなる前に、復調を願ってのアドバイスだった。

 片岡コーチ どうしても、昨年のいいころと比べて、基本のことやけどね。修正というかね。本人もわかっていると思うけど。

 チーム打率2割3分と46得点はリーグワースト。ここまで7勝7敗で5割だが、投手陣へのおんぶにだっこは否めない。中でも攻撃陣の課題は大山とロサリオの復調で、どちらか1人でも早く本来の姿を取り戻せば打線がつながり得点力アップも期待できる。「猫背禁止令」で上り調子をつかめるか。雨の豊橋を、いいきっかけにしたい。【古財稜明】