阪神梅野、今度は決めたぞ完璧セーフティースクイズ

中日対阪神 6回表阪神1死一、三塁、一塁前にスクイズを決める梅野(撮影・宮崎幸一)

 阪神梅野隆太郎捕手(26)がまた決めた。6回にセーフティースクイズを転がし3点目を挙げた。4日のDeNA戦に続いて2度目。今季4打点中、半分がこの“必殺技”によるものだ。「完璧でした。見え見えでもやり返したいところがあって。あの1点は何とか取りたかった」とほおを緩ませた。

 やり返したい、と言った理由は4月6日の同じ中日戦(京セラドーム大阪)。1点を追う9回1死三塁の同点機にセーフティースクイズを試みたが、投-捕-一の併殺でショッキングな試合終了。それ以来のトライに「そういうのもあったので」とリベンジの気持ちも込めていた。

 初球もバントの構えでボール。次のスライダーを一塁手に捕らせた。定石通りの方向に転がし、三塁走者の福留に好スタートを切らせた。金本監督は「バレバレでも、あのへんに転がしたらセーフになる」とうなずいた。

 バントの名手としてならした平田チーフ兼守備走塁コーチは「技術だね。あれだけ警戒されて重圧がある中で成功させる。打つ時もああやって目をつけてくれたら…」と“毒”も交えて高く評価。2点を奪って逆転、たたみかけたい1死一、三塁で8番打者が繰り出した「技術」は打線の貴重な武器になっている。

 守ってもメッセンジャーに低めの変化球をバンバン要求。金本監督は「ナイス、キーパー。よくバウンドをいっぱい止めた」とサッカーのGKに例えた。梅野は「ポイント、ポイントでしっかり守れたかな」。派手さはないが、攻守にテクニックを駆使して大きく貢献した。【柏原誠】