日本ハム中田8回価値ある2点二塁打、4月18打点

日本ハム対オリックス 8回裏日本ハム2死二、三塁、左越え2点適時二塁打を放ちスタンドに向かってガッツポーズする中田(撮影・黒川智章)

 日本ハム中田翔内野手(29)が、価値ある追加点をたたき出した。オリックス戦(札幌ドーム)で1点リードの8回2死二、三塁で左翼線へ2点二塁打。2安打2打点で打線を引っ張った。22日の誕生日から3試合連続打点をマーク。4月は18打点目で、昨季同月の4打点を大きく上回り量産中だ。投げては高梨裕稔投手(26)が9回1失点の完投でシーズン初勝利。投打がかみ合い、チームは今季最多の貯金3とし2位に浮上した。

 気迫を、惜しみなくバットに込めた。1点差に詰め寄られた8回2死二、三塁。中田が、心静かに勝負に向かった。前打者の近藤が申告敬遠で出塁。「自然と打席に立てた。思っていた以上に」。3球目。内角いっぱいに沈む球をすくい上げ、左翼線へ引っ張った。右足でスライディングし2点二塁打を決めた。「ヨッシャ、オラー!」。左膝をついたまま、両手を1発。「点がほしい場面でしたし、すごく気合も入った」。立ち上がっても、力いっぱい両手をたたき上げた。

 本塁打の後でも感情をあらわにすることは少ないが、この日は違った。7回1死一塁。左前打を放ち、一塁走者の大田の好走塁もあって1死三塁にチャンスを広げた。すかさず一塁ベース上で、三塁側ベンチへ右拳を突き上げた。記念日から勢いに乗り始めた。29歳の誕生日を迎えたのが22日ソフトバンク戦。自身のバースデー弾を含む5打点の活躍を見せ、この日を加えて3試合連続で打点を重ねている。「今日みたいな打席を、もっともっと増やしていきたい」。

 終盤の2打席はともに好機で打席が回ってきて、生かした。栗山監督は天性のものと強調する。「あそこ(8回)は何かを見せる、中田翔の思いを見せるところ。中田翔にチャンスがいく。これが彼が天から授かった使命」と4番の仕事をたたえた。

 主砲には欠かせない、勝負強さが増してきた。昨季4月の月間打点は4打点。今季は18打点と、序盤から快調に積み重ねている。キャプテン1年目。「ユニホームが人と違うだけ」と無関心だと言い張る一方で、勝利に導く働きぶりが目立ってきた。「4、5、6番が機能すれば、もっと楽な勝ち方になる」。次の打席へ。試合後は冷静に、勝ってかぶとの緒を締めた。【田中彩友美】