清宮、学習力ハンパない!苦しんだ内角仕留め1発

イースタン・リーグ日本ハム対楽天 1回裏日本ハム2死、右越え本塁打を放つ清宮(撮影・野上伸悟)

 日本ハムのドラフト1位ルーキー清宮幸太郎内野手(18)が26日、イースタン・リーグ楽天戦(鎌ケ谷)の第1打席で、2試合ぶりとなる右越え4号ソロを放った。楽天戸村の143キロを強振。プロ入り初の先制弾で、チームの連敗も10で止まった。ここ5試合で4本塁打と2軍戦では量産態勢に入っており、現在本塁打数はリーグ2位タイ。高校通算111発男のバットが、いよいよ乗ってきた。

 低い弾道で一直線に伸びた打球が、フェンスの向こうへ消えた。ダイヤモンドを悠然と1周した清宮は「うまくタイミングが取れて、良い感じで打てました。行ったと思いましたが、ちょっと詰まっていたので(一塁へ)走りましたけど…」と、淡々と振り返った。プロ初の先制アーチは、右翼ポール付近に飛び込む推定飛距離105メートル弾。20日の初本塁打以来、ここ5試合で4発と、エンジンがかかってきた。

 直近の24日楽天戦(鎌ケ谷)では内角球に苦しんで4打席凡退。中1日で見事に打ち返した。1軍経験も豊富な楽天の9年目右腕、戸村の内寄り143キロ直球を、しっかり捉えた。「意識しすぎるのが嫌だったので、頭に置いておくくらいの感覚だった」。マイナス思考はみじんもない。甘く入ったとはいえ、課題の球を逃さなかった。それでも、満足はしていない。第2打席以降は内角攻めを攻略できず「1度じゃなくて、続けて結果を残せたら自信になるんですけど」と、気を引き締めた。

 高校通算111本塁打の看板は、だてじゃなかった。局限性腹膜炎で出遅れたため、ここまで12試合出場で42打席と攻撃機会は少ない方だ。しかしながら、同リーグの本塁打ランキングでは、ロッテのドミンゲスに1本差の2位タイ。日本人選手に限ればウエスタン・リーグも含めてもトップタイだ。本領を発揮し始めた若きスラッガーの先制パンチに触発されて、チームの連敗も10でストップ。自身にとっても待望の公式戦初白星だ。「自分が試合に出始めてからずっと負けていて、どうしたのかな? と思っていたので」と小首をかしげ「勝つと、やっぱり気持ちが良いですね」と見せる笑顔は、ワイルドでパワフルな打撃に比して、まだあどけない。

 この日は栗山監督の57歳の誕生日で「本当に良かったです」と、祝砲にホッとした表情を浮かべた18歳。1軍で再会できる日も、そう遠くはなさそうだ。【中島宙恵】