阪神植田5出塁、足で同点&V弾もアシスト

7回表阪神2死、植田は投前にセーフティーバントを決める(撮影・梅根麻紀)

 ギラついた目で右腕一岡をにらむ。静かにリードを広げ、スパイクの歯を土に絡ませる。阪神植田海内野手(22)は延長10回表もまた、50メートル5秒8の俊足でプレッシャーをかけ続けた。

 植田 (スチールに)行ってもいいと言われていたので。行けるタイミングを図っていました。

 先頭で内角高め直球を押し返し、詰まりながらも三遊間を抜いた。ここから二盗を狙い続けた結果、1死一塁からロサリオの勝ち越し2ランが生まれた。劇的弾は3球連続真っすぐをたたいてのもの。金本監督は「ウチがやられていた、走者を気にして真っすぐになったり、投手の集中力も散漫になったり…。(そういう意味で)植田の存在は大きかった」と説明する。走らずとも足を警戒させ、劇的弾を呼び込んだ。

 前日29日広島戦は今季初スタメンで1安打1盗塁。2戦連続で「2番遊撃」を勝ち取ると、1打席目から3打席連続で四球を選ぶ。1点を追う7回2死では自らの判断でセーフティーバントを成功させた。「ファーストが下がっていたので」。一塁線へ絶妙に転がして出塁。すかさず完璧なスタートで二盗を決め、3番糸井の右前適時打で同点のホームを踏んだ。守備では失策も犯しており「取り返す気持ちはありました」。全5打席出塁で2打数2安打1盗塁。力強くミスを挽回した。

 「小さいころから、誰がライバルとか考えたことがないんですよ。人を気にするより、まずは自分がしっかりプレーすることが大事」。地に足をつけた若虎が珍しく具体名を挙げて理想としたのが14、17年のパ・リーグ盗塁王だ。「走塁だったら日本ハムの西川さんみたいになりたいな、とは思います」。足で脅威を-。目標とする背中を、全速力で追いかけている。

 金本監督から「足で1点を取ったし、たくさん塁に出た。守備範囲も広いし、捕ってからも速い。やっぱり楽しみな選手ですね」と絶賛され、今後はスタメン起用が急増する可能性が高い。早くも自己最多14試合出場。「ブレーク」と表現される日も、そう遠くはなさそうだ。【佐井陽介】