日本ハム清宮を見届けよ来場者全員に観戦証明書配付

囲み取材を終え、桜の木をバックに札幌市内の合宿場に引き揚げる日本ハム清宮

 期待のゴールデンルーキーが、いよいよ1軍デビューする。今日2日楽天戦(札幌ドーム)からプロ初昇格する日本ハム清宮幸太郎内野手(18)が1日、2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷から1軍本拠地の北海道・札幌へ移動した。昇格即スタメン起用されることも濃厚。体調不良のアクシデントも乗り越え、3月6日以来56日ぶりに北の大地に戻ってきたドラフト1位は1軍定着を誓った。

 札幌市内にある日本ハムの合宿所に到着した清宮が、第一声から強い決意を示した。「1軍に来たからには、ずっとこっちでやりたい。結果を残さないといけない」。開幕前に限局性腹膜炎を患って開幕1軍を逃した。ただ、もう2軍へ戻る気はない。引き締まった表情で「やってやるぞ、という気持ちです」と、言葉に力を込めた。

 本人にとってはサプライズだった。前日4月30日に初昇格の知らせを聞いたのは、2軍遠征先の神奈川・平塚から帰路に就いたバスの車中。「急だったので、びっくりしました。こんなに(1軍昇格が)早いとは思わなかった」と、率直な感想を明かした。

 4月20日に2軍戦で初本塁打が飛び出すと一気に調子も上がってきた。「ホームランも出て自信も付いた。体の方も問題ないです」。一時は8キロ落ちた体重も戻り、体調も万全。「楽しく野球をやることが大前提。その中で守備や打撃でチームに貢献できれば」と所信表明。この日は早速、合宿所に隣接する室内練習場で自主練習も行い、デビュー戦に備えた。

 今日2日楽天戦ではスタメンデビューが濃厚。「6番DH」または「一塁」が見込まれる。思い切った勝負手を打つことの多い栗山監督だけに、2軍戦で定位置だった「3番」起用の可能性も十分ある。相手先発は岸。清宮は「どれをとっても一級品。対戦出来るなら、その対戦を楽しんでいきたい」と、話した。

 周囲も1軍デビューへ向けて盛り上がってきた。球団はプロ初出場を札幌ドームで果たした際に、来場者全員に「観戦証明書」を配布することを決定。高校通算111本塁打のスラッガーの節目を飾る粋な演出を用意している。

 25年前の5月2日は巨人松井秀喜氏がプロ初本塁打を放った日でもある。「そうなんですね」と初耳だったが、続けて「もちろん(本塁打を)打ちたい気持ちはあるけど、そこだけにこだわっているわけではない。チームの勝利に貢献できるようにしたい」と、また表情を引き締めた。新たな伝説が、いよいよ始まる。【木下大輔】