阪神幹部異例の積極視察 植田の次の高校生遊撃探す

大阪桐蔭・根尾昂(2017年3月25日撮影)

 「金の卵」のショート発掘へ!! 阪神が今秋ドラフトの有力候補として、高校生遊撃手を「重点チェック」する方針であることが2日、分かった。金本阪神は3年目も正遊撃手が定まらない状況だ。4月終盤以降、植田海内野手(22)が勢いよくアピールするなか、植田に続く次世代ショートもターゲットになる。

 4月21日には春季兵庫県大会が行われた姫路で、谷本球団副社長兼球団本部長が報徳学園・小園海斗内野手(3年)のプレーを視察した。走攻守に優れたリードオフマンタイプで、U18日本代表としてW杯にも出場した。球団関係者は「飛ばせる力もあるし、肩も強い」と高評価。小園だけでなく、今後も球団幹部が積極的に遊撃の逸材をマークする、異例の態勢で臨む。

 チームにとって、遊撃は近年の課題だ。長らく鳥谷の独壇場だったが、後継候補の北條が伸び悩み、今季は糸原が開幕スタメン。4月末以降は高卒4年目の植田がポジションに就く。14年ドラフトで植田が入団したあとは3年間、高校生内野手を指名しておらず、今秋の補強ポイントになる。

 今春センバツで2連覇の立役者となった大阪桐蔭・根尾昂内野手(3年)も候補。球団関係者も「身体能力が高く投手としても遊撃手としても、いろんな可能性を感じさせる選手」とほれ込む。天理・太田椋内野手(3年)も右打ちのスラッガーとしてリストアップし「体格もいいし、右打ちの強打者というのが魅力的」と関係者はうなずく。明秀学園日立・増田陸内野手(3年)もセンバツで評価を高めた。気鋭の遊撃手を幅広くチェックしていく。

 ◆根尾昂(ねお・あきら)2000年(平12)4月19日、岐阜県生まれ。小2から野球を始め、古川中で飛騨高山ボーイズに所属し、中学3年時にはNOMOジャパンで米国遠征を経験。3歳からスキーを始め、中学2年時にアルペンスキー回転で日本一となり、世界大会にも出場した。177センチ78キロ。右投げ左打ち。

 ◆小園海斗(こぞの・かいと)2000年(平12)6月7日、兵庫県生まれ。小学1年から宝塚リトルで野球を始め、光ガ丘中では枚方ボーイズに所属。報徳学園では1年春から正遊撃手。2年春の甲子園に出場して4強、U18代表としてW杯に出場。遠投105メートル。50メートル走5秒9。178センチ、79キロ。右投げ左打ち。

 ◆太田椋(おおた・りょう)2001年(平13)2月14日、大阪・羽曳野市生まれ。高鷲南中では羽曳野ボーイズに所属。中学3年時にジャイアンツカップに優勝し、U15代表としてアジアチャレンジカップに出場。天理では1年夏からベンチ入りし、2年夏に甲子園出場。遠投105メートル。181センチ73キロ。右投げ右打ち。

 ◆増田陸(ますだ・りく)2000年(平12)6月17日。大阪市出身。小学1年から此花トライアルで軟式野球を始め、春日出中では大阪福島シニアに所属。茨城・明秀学園日立では3年春の甲子園出場。3試合で打率3割7分5厘。通算23本塁打。遠投100メートル。50メートル走6秒2。178センチ80キロ、右投げ右打ち。