強運清宮、ボテボテの内野安打で高卒ルーキー新記録

1回裏日本ハム2死、三塁への内野安打を放つ清宮(撮影・黒川智章)

 スーパールーキーは強運も持っていた。日本ハムのドラフト1位清宮幸太郎内野手(18)が、1回の第1打席でラッキーな三塁内野安打を放った。高卒新人がデビュー戦から5試合連続で安打を記録するのは、ドラフト制後(66年以降入団)最長。怪物が、照れ笑いするぐらいのボテボテのゴロで球史に名を刻んだ。

 2-0の1回2死走者なし。日本ハム清宮の第1打席は、押せ押せムードで回ってきた。フルカウントからファウルで2球粘って、8球目の外角低めのスライダーをフルスイング。「肩口から入ってくるスライダーを狙っていたというか、待っていた」。バットの先に当たった打球は、足元で高く跳ね、捕球しようとマウンドから前進してきた左腕オルモスのグラブをかすめて、力なく三塁手の前に転がった。

 「追い込まれてから、何とか当てられたのは良かった」と言うが、打った瞬間は「うわぁ~って思いました。バントみたいな当たりだったので、思い切り走りました」。当たり損ねが奏功し、超ボテボテの三塁内野安打に。全速力で一塁に到達すると、電光掲示板に光る「H」マークを見上げ、照れ笑いを浮かべた。

 強運も絡んでの高卒新人記録。しかも、追加点につながる一打で、チームの2連勝にも貢献した。「意識は、あまりなかったです。でも、毎打席、集中してプレーしていることが結果につながったのかなと思います」。打ち取られた打球でも、安打は安打。高校通算111本塁打の怪物は、ラッキーヒットで球史に名前を刻んだ。

 この日は、いつもの朝と少し違った。勇翔寮から札幌ドームまで、毎日のように車に乗せてもらっている石井一の24歳の誕生日だったからだ。眠い目をこすりながらハンドルを握る先輩に「ハッピーバスデー!!」と、お祝いの言葉を贈った。約1カ月に及んだ2軍生活でプロで生きていくすべを教えてくれた荒木2軍監督、同期入団の西村、難波と縁のある4人の誕生日が重なっためでたい日に、新記録で花を添えた。

 2日に1軍デビューし、プロの真剣勝負を体感した5日間。「ヒットを打つことがこれだけ難しいとは思わなかった。そこが高校時代と違うところ。ヒットらしいヒットを打てるよう、次につなげられたらいいなと思います」。始まったばかりのプロ人生だが、存在感は際立っている。【中島宙恵】