阪神ロサリオ初の5番降格も不発 先発落ち可能性も

広島対阪神 9回表阪神2死、ロサリオは遊ゴロを放ち試合終了(撮影・加藤哉)

<広島6-1阪神>◇12日◇マツダスタジアム

 ついに断を下したけど…。阪神金本知憲監督(50)が、不振のウィリン・ロサリオ内野手(29)を初めて5番に降格させた。

 開幕から4番を任せたが、前日までの15打席連続無安打で決断。だがこの日も2三振など打線を分断し、つながらない打線は板山のソロ1点だけで完敗した。今季初の4連敗で12日ぶりの借金生活に陥り、首位広島とのゲーム差は今季最大の5・5に拡大。金本監督の苦悩も深く、踏ん張りどころだ。

 ついに指揮官が断を下した。先発オーダーで、ロサリオの名前が、あるべき場所になかった。開幕から不動の4番として期待されたが不振から抜け出せず、今季初めて5番に降格。金本監督にとって苦渋の決断だ。「打線の流れとして、彼で切れるわけですから。その前に点を取ろうかという策ですよね」と説明した。

 金本阪神3年目の生命線だ。昨季まで韓国球界で2年連続3割30本塁打100打点の実力を評価されて獲得。本来、ポイントゲッターとして期待されるが、最近は打線のブレーキになっていた。だが、打順を下げても効果はなし。2回、先頭で打席に入ると、広島バッテリーは外角に逃げる変化球を集中させた。バットは空を切り、間合いも計れない。外角低めカットボールにあえなく空振り三振。4回も同様の配球で空を切り、金本監督も「変化球にまったくついていっていない」と嘆くしかなかった。

 7回は速球を右前にはじき返し、8日巨人戦で東京ドームの左翼看板にアーチを直撃させて以来、18打席ぶりの安打を放った。だが、9回は再び外角カットボールを引っ掛けた遊ゴロで試合終了。試合前にはウオーミングアップの本隊から離れて外野でロングダッシュを行うなど、スランプ脱出に懸命だが報われない。R砲も「自分の打撃を言える状態じゃないけど、いつも通り、チームに貢献できるよう、練習も取り組んでいきたい」と前を向いた。

 この日は代役4番に福留を起用したが6回の同点機で空振り三振。チームは21イニング連続で適時打が出ず、4試合連続2点以下と貧打に苦しむなか、助っ人の復調は欠かせない。2月の沖縄・宜野座キャンプではド迫力の長打力を披露。金本監督も「打線の1つの大きな軸ができた気がします」と言い、4番固定を決めた。開幕直前も「基本的には我慢して4番というのは変わりない」と話し、打線の中軸に据え続けた。

 今後の打順について指揮官は「分からん。また、明日も考えます」と話した。責任感の強いタイプ。重圧を和らげるため、下位打線に降格し、状態が好転しなければ先発を外れる可能性もある。チームは4連敗で借金生活へ。大砲覚醒が最重要課題だ。【酒井俊作】

 ▼ロサリオが初めて4番を外れた。今季4番で出場した32試合で打率2割4分4厘、3本塁打16打点。セ・リーグの主な4番打者と比較しても、打率が5番目、本塁打3本は鈴木、マギーと並びワースト。打点は鈴木、マギーを上回るが、鈴木は下半身の張りでの抹消期間があり、4番での出場試合数はロサリオの半分以下。マギーも4番では20試合で、5番での13試合の成績を加えると4本塁打、19打点でロサリオより上だ。