「お母さんありがとう」母の日に野球人から感謝を

記念撮影する巨人ドラフト6位の若林と母智子さん(家族提供)

 感謝の気持ちは人一倍-。母の日だったら素直に言える。野球人の言葉、母の思いを集めた。【野球取材班】

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 巨人ドラフト6位若林の母智子さん(59) 息子の野球姿をいつも楽しく見させてもらっています。突然の1軍昇格だったので、当日(11日)はなかなかチケットがとれず、東京ドームの立ち見席で見ていました。主人(元大洋の憲一さん)と結婚した時はもう引退していたので、晃弘を見ていてプロ野球選手になることがこんなに大変なのかと感じました。3歳からおもちゃのバットで遊んだり、小学1年生の時は公園で私が投げたフライを捕るのが上手でしたね。3月にケガをしてしまったので「体には気をつけて頑張ってね」と伝えたいです。

 ヤクルト中尾 母はいつも優しいです。小さい頃は怒られたりもしましたけど、高校で寮に入ってからは1回も怒られたことがないですね。高校時代は体重が増えないのが悩みでした。高校卒業と同時期に名古屋で居酒屋を始めて、大学に入ってからはお店のご飯を食べるようになって体が大きくなりました。60キロだった体重が、卒業の時は83キロにまで増えました。球速が速くなったきっかけになったので感謝しています。いつもありがとう。僕ももっと頑張ります。

 日本ハム清水 4月17日の西武戦では、母が見ている前で本塁打を打てました。プロ入り後、初めてだったのでうれしかった。甲子園に出たくて、高校は実家のあった山口から福岡の九州国際大付を選びました。心配だったと思いますが「行くからには高校3年間、最後まで頑張って」と。オヤジが厳しい中、母は逆にとても優しいんです。2人から怒られていたら、僕、やばかったです(笑い)。

 西武増田 2人の息子の母である、妻の麻友には感謝しかありません。2人とも予定日より早く生まれたため、NICU(新生児集中治療室)のお世話になりました。長男は3カ月入院しましたが、シーズン中でそばにいてあげられませんでした。妻は責任感の強い人。とても不安で、しんどい思いをさせてしまいました。今は2人ともすくすく育ち、幼稚園の長男は野球を分かるようになりました。僕の投げ方をまねするんですよ。ここまでこられたのも、妻のおかげです。今年から登板数ごとに2万円を積み立て、息子たちがお世話になった病院と、西武の地元である埼玉のNICUがある病院に寄付します。自分たちと同じ境遇にいる方々の支えに少しでもなれたらと、妻と相談して決めました。お母さんたちは、それぞれ大変なことを抱えていると思います。全てのお母さんに、ありがとう! と言いたいです。

 DeNA東 栄養面、生活面でずっとサポートしてくれました。今でもちゃんと食事を食べているのか、こまめに連絡をくれます。栄養管理の知識はすごくあると思います。試合中に食べるバナナを勧めてくれたのもお母さんでしたし。今でも忘れられないのは、中学3年生の時の母の日です。試合があって、自分が投げて負けてしまったんです。僕の中では「勝って母の日のプレゼントができたら」っていう思いがあって。それがすごく悔しくて、ふてくされてしまって。そしたら、めちゃくちゃ怒られたんです。「そうやって、ふてくされたらアカン」って…今でもそれは心掛けてます。去年の母の日には花をプレゼントしました。贈ったのは初めて。今年は初勝利のウイニングボールと初ヒットのボール、2つあげようと思って、寮にとってあります。親孝行は勝っている姿を見せること。1つでも勝っている姿を見せて、喜ばせてあげたい。

 ロッテ・ドミンゲス 母に感謝の気持ちを伝えたいと思う。小さい時、バッティング練習に付き合って投げてくれたんだ。それを思い出すと頑張れる。ティーバッティングのトスじゃないよ。オーバースローで投げてくれた。母は短大までソフトボールの選手で、内野手だったから。僕が11歳になるまでずっと投げてくれてたんだけど、ライナー性の当たりが多くなってピタリとやめた。危ないからね。自分の身を案じたんだと思う。でも愛を感じたよ。

 楽天内田 お母さん、いつもありがとう。小学生の頃、仕事が忙しい中でも野球の送り迎えをしてもらったことは今でもよく覚えているし、本当に感謝しています。自分にとって、お母さんは誰よりも大事な存在です。また家に帰ったら、大好きなもつ煮込み作ってね。

 楽天池田 お母さん、いつも応援ありがとう。応援してくれる姿が、毎日のエネルギーになっています。経済的に厳しい中、小さい頃から野球を続けさせてくれて本当にありがとう。今まで、いろいろなことがあったけど、1つずつ乗り越え、今楽天イーグルスの一員として戦えています。プロ初勝利をして、本当にたくさんの人に喜んでもらえました。これから2勝、3勝と勝ちを積み上げて、応援してくれる人にもっと喜んでもらえるよう、全力で頑張ります。今年の初め、がんの手術をすると聞いて、不安でいっぱいでした。病院の先生に「絶対に大丈夫だ」と言われてもそんな気持ちは収まらなかったよ。でも術後、順調に回復して元気になっていく姿を見る度に安心することができました。病気を通して改めてお母さんの存在の大きさに気付かされました。僕もけがせずに頑張るので、お母さんも体を大事に、これからも僕の投球を見守っていてください。

 法大・向山基生主将 仕事をしながら、毎日弁当を作ったり、いつも野球を見に来てくれて感謝しています。ダメなことはダメと口うるさく言われてきたけど、僕が今、野球をできているのはお母さんのサポートのおかげです。いつもありがとう。

 神奈川大・夏井修吉主将 4年生になったこの春、秋田から毎試合見に来てくれて感謝しかない。兄貴3人含め、兄弟全員が野球をやってきた。お金がかかったと思うけど、そんなこと一切言わずに好きな野球をやらせてくれた。優勝するには土曜日から始まる桐蔭横浜大戦が勝負。感謝の形を結果で返したい。