大谷に負けじ源田ら日本の2番も攻撃的/全球団事情

広島菊池涼介

<得点圏打率3割>広島菊池涼介

 頭をフル回転させて打席に臨んでいる。「2番なんで、いろんな状況をいつも想定してやっている。打点を挙げる位置じゃないが、今年はいい場面で回ってくることが多い」。得点圏打率が3割超の勝負強さがあり、本塁打もハイペース。首位チームの原動力だ。「丸がいないので、やらなきゃいけない」と故障離脱した丸の穴もカバーしたい思いがある。

<坂本を生かす>巨人吉川尚輝

 今季開幕から全試合で2番で出場している。「(相手投手に)球数を投げさせて、粘れるように」と簡単に打席を終わらせない意識を強く持つ。出塁率4割4分の1番坂本勇の次打者として「とにかく塁を進められるように。つなぐ意識です」と話す。38試合を終えて打率2割4分7厘、10打点、1本塁打。つなぎのタイプの2番をイメージしている。

<固定に至らず>阪神植田海

 2番に左打者を置いて引っ張らせることで一、三塁の形を作ることを理想としている。ただ開幕は鳥谷が務めたものの、固定には至っていない。現在は両打ちの植田が務め、粘っての四球や、足を絡めるなど、つなぐ打撃に徹している。金本監督は「もっとヒットエンドランとか、やっていきたいんだけどね。少々ボールでも転がしたりとか」と新たな要求も。

<小技なし集中>DeNAソト

 スモールベースボールから攻撃的打線にかじを切って、1軍昇格と同時に2番に抜てきした。ラミレス監督は「エンドランもバントもさせない」と打撃に集中させ、4試合連続マルチで期待に応える。後ろにはロペス、筒香と強打者が控え、同監督は「投手は歩かせたくないという心理が働いて、ソトはいい球を打てるケースが増える」と分析している。

<復調気配の新人王>中日京田陽太

 3番アルモンテの加入で出塁率の高い大島を1番に回し、2番を俊足巧打の京田で固める今季の竜打線。だが京田は「必死にやっているけど、結果が出ない」。打率2割台前半と昨季新人王がもがいている。ただ、15日の1号2ランに続き、この日は決勝打を含む2安打。森監督も「京田もこれ以上悪くならんだろう」と復調気配を感じ取っている。

<できない事情>ヤクルト西浦直亨

 「つなぎの2番」としてチーム最多15試合目に先発する一方で、9回に2号3ランを放った。2位は山崎の7試合。小川監督は「2番最強打者説は、その考え自体はいいと思うが、できるチームとできないチームがある」と説明。今季の犠打数は12球団1位。同監督は「今年は1点にこだわる野球を掲げている。つなぎという意味合いが大きい」と話す。

<つなぎの皆勤>西武源田壮亮

 不動の2番打者として、昨季からフルイニング出場を継続中。出塁率の高い1番秋山と、強力クリーンアップをつなぐキーマンだ。「ランナーがいれば得点できるように。いなければチャンスを作るように。いずれにせよ、クリーンアップにチャンスで回す意識です。後ろに良い打者が多いので」と、状況に応じた打撃を遂行する。俊足も武器だ。

<堅実か攻撃か>ソフトバンク今宮健太

 2番先発は今宮が14試合、上林が13試合と、その日の戦略に合わせて臨機応変に決定する。犠打などで手堅い攻めをする場合は今宮、好調柳田の前に走者を置きたい場合は上林。工藤監督に日々提案する藤本打撃コーチは「ペゲーロや昔ならカズ山本さんみたいな超攻撃型を置きたいけどね。柳田? そうしたら誰がクリーンアップ打つの」と笑う。

<長打も献身も>日本ハム大田泰示

 4月下旬から2番で起用が続く。「自分がバントとかを求められるかといったら違うと思う。長打が打てる中でチーム打撃ができたりするところが求められている。自分の良さを消さないようにしたい」という意識を持つ。豪快なフルスイングで2番打者として7本塁打17打点をマーク。栗山監督が期待する役割を理解し、2番打者を全うしている。

<チャンス作り>オリックス大城滉二

 今季9試合で2番に起用されている大城は「つなぎ」の意識が強い。「やっぱり先頭が出れば塁に進めることを考えます。次は3番なんで」。吉田正、ロメロ、マレーロ、T-岡田と重量級が中軸に並ぶことが多いオリ打線。福良監督も開幕から一貫して「1、2番がどうチャンスを作るかどうか」と、打線が機能するためのポイントを挙げている。

<出塁して走る>ロッテ藤岡裕大

 新人ながらチームトップの16四球を選び、出塁率3割4分3厘をマーク。走塁を重視する井口監督の「1番から4番までは走らせたい」という方針のもと、積極的に次の塁を狙う。盗塁数、長打率、得点圏打率いずれもチーム上位3位に入る成績で、勝負強さも併せ持つ。4月半ばに不振に陥ったが「課題の内角攻めを克服できてきた」と安定感が戻った。

<ペゲーロは5番に>楽天藤田一也

 15日のソフトバンク戦まで2番打者として3戦連続安打するなど、梨田監督の期待に応えた。この日は無安打だったが、初回に内野安打の茂木を一ゴロで二進させるなどチーム打撃で貢献。しかし6回、柳田の二ゴロを裁いた後に腹部に張りを訴えて途中交代した。一方で、昨年2番で大活躍したペゲーロはこの日、5番として初回に同点適時打を放った。