DeNA最強1番梶谷サイクル超えちゃった5H2発

6回表DeNA1死一塁、2点本塁打を放ちベンチの出迎えに笑顔を見せる梶谷(撮影・中島郁夫)

<ヤクルト5-14DeNA>◇25日◇神宮

 もはや三振王の面影は少しもない。DeNA最強の1番打者梶谷隆幸外野手(29)が、乱打戦に終止符を打った。1点リードの6回。ヤクルト風張のスライダーを捉えた。右翼スタンドへ運ぶ4号2ラン。食い下がるヤクルトを突き放し、シーソーゲームは一気に傾いた。「甘い球がきたら、思い切り振っていこうと決めていた」。チームは巨人を追い抜き、4月29日以来約1カ月ぶりに2位浮上した。

 三塁打が出ればサイクルヒット達成の9回の打席。三塁打どころか、この日2発目の5号ソロを放ち「過去3回くらいリーチをかけたけど1回もサイクルはない。でもホームランの方がうれしかった」。2発2二塁打。サイクル以上の5安打4打点と打ちまくった。

 三振王の汚名をそそごうとしている。昨季157三振は3・7打席に1回のペースで両リーグ最多。「そうならないよう、追い込まれてからモデルチェンジするようにした」。フルカウントでは上からたたくイメージでバットを振る。よりバットに当てる確率を増やした。1番抜てき後は6試合28打席3三振と激減に成功。快音も増えた。

 ルーキー神里に24歳桑原と、リードオフマンのライバルは多い中、1番での打率4割8分1厘、出塁率5割は群を抜く。「打たなければ試合に出られないことが、今の自分にはのしかかっている。若い子たちがライバルにいる。30歳はまだ脂の乗った、いい年。彼らに負けたくない気持ちが、まだまだあるので」。猛打の口火を切り、19安打14得点は、いずれも今季チーム最多。その先頭には、1番梶谷がいる。【栗田成芳】